資金繰りブログ

信用保証協会は経営者の敵か味方か

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中小零細企業が金融機関から資金調達する場合、銀行などの与信において、その格付けによっては審査が通らないことがあります。

そのようなときには、銀行が信用保証協会付き融資を勧めてきます。

信用保証協会とは、与信で引っかかった企業が融資を受けられるようにするために、信用保証協会が保証をすることによって、融資を受けられるように支援することが目的である組織です。

ここまでは大変意義のある組織であると思えると共に、信用保証協会が存在することは力の無い中小零細企業の味方であると思えるのです。

ところが、銀行への返済が滞り代位弁済が行なわれるとどうなるでしょうか。

今までは弱き中小零細企業の味方であった組織が、豹変をして債権回収に走る金貸し会社へとなってしまうのです。

銀行からプロパー融資を受けているのであれば、サービサーへ債権譲渡した後の交渉により債務額の減額をされることはよくあることなので解決する道が開けるのですが、

信用保証協会の場合においては何が何でも全額回収するというスタンスで、債務者である会社や連帯保証人である経営者に請求をします。

即ち、少し前までよき協力者であった信用保証協会とは、行き成り債権債務者の関係となってしまうのです。

信用保証協会は、保証協会サービサーという関連会社へ債権の回収を委託します。

この保証協会サービサーの社員は、いろいろな金融機関の仕事をしてきた人達で、債権回収を専門としてきた人達です。

その人達が信用保証協会のマニュアルに則って債権回収をしてくるのですが、手厳しい対応を取ってくる人と、緩く甘い対応をしてくれる人など個人差もあるようです。

通常の企業であれば、費用対効果を考えて対策を取るのが通常のあるべき商行為です。

しかし信用保証協会サービサーは、税金を使っていることから極力全額回収しなければなりませんので、基本的には回収を諦めるということができません。

例えば、100万円を回収するために120万円の費用を掛けるようなことは通常しませんが、信用保証協会サービサーは時に行うこともあるようです。

例えば、損得など関係なしで費用を掛けてでも差押を行なってくるなどです。

そして完済するまでは、時間を掛けてでも債権回収をしなければならいないことは、他の金融機関と
違うのです。

これでは銀行や信用金庫、ローン会社、サラ金から闇金融に至るまで、様々な金融機関に至る中で一番厳しい回収になりますが、誠意をもって対応することで保証協会サービサーの担当者も良心的な対応をしてくれることが多いです。

また、借りたものを返すということは道義的に当然のことなのですが、実際には会社が倒産したことにより社長個人も資産がない状況なのですから、そこはしっかり説明をし、無理のないところで少額でも返済をするスタンスを取られるべきだと思います。

しかし、係わる担当者によっても対応が異なることが珍しくありませんし、各地域によっても対応がまったく違うことがあることは理解しておく必要があります。

酷い担当者に当たると、その担当者が要求してきた毎月の返済額を一度拒んだだけで、直ぐに自宅を競売に掛けてくる担当者もいれば、気長にお付き合いしてくれる担当者もいるようです。

以前ブログにも書きましたが、最悪なケースでは通常返済をしている債権を銀行が無理やり代位弁済を行なって、

信用保証協会サービサーから、会社や社長の資産等あらゆる資産を根こそぎ取られて無茶苦茶にされてしまったケースもあります。

本当にレベルが低く、人間性に欠落している金融機関の担当者や信用保証協会サービサーの担当者に係わると、人生を無茶苦茶にされてしまう事例があるのです。

ですが、多くの場合、保証協会サービサーは協力的な対応をしてくれますので、債権者の敵だなどと思わず誠意をもって接するべきだと思います。

但し、いくら協力的だといっても代位弁済をしてもらって迷惑を掛けることになるので、基本的には資金調達はプロパーで融資を受ける方が無難だといえます。

どうしても、その融資が必要ということであれば、しっかり保全対策を取ってから資金調達をされるべきだといえます。

海外諸国ではノンリコースローンが主流で、経営者や家族まで終身追い込むような制度はありません。

日本の古い江戸時代の封建社会の延長線で、親の借金は子供の代、孫の代まで支払わせるという奴隷制度が残っているのですね。

このような馬鹿げた制度が残っているうちは、日本を支えている中小零細企業が繁栄できないので、社会全体は良くならないのではないでしょうか。

近年では経営者保証のガイドライン等により経営者の連帯保証を取らない政策が出来てきましたが、まだ一部の経営者にしか対応されていません。

自分で自分の身を守るためには安易に借り入れをしないことが大事ですね。

 

 

 

 

 


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