資金繰りブログ

見栄はいらない

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見栄はいらない

中小零細企業の経営者は、人に頼らず一人で何でもこなして頑張っておらる方が珍しくありません。

兎にも角にも、家族のため、従業員のためにと必死で働いているのです。

健全経営をしているときは、社長、社長と言われ周りの人達は気持ちよく接してくれるのですが、いざ、経営状況が悪化してくると手の平を返したような対応をする人たちが出てきます。

特に一番分かりやすいのは、銀行などの金融機関です。

今までは、資金を借りてくださいと事務所へ訪問していたことが、リスケジュールをしたとたん、ピタリと来ることは無くなり逆に用事がある時は支店まで呼び出すように変わります。

そして、呼出しをするだけに留まらず、担当者が変わると共に上から目線の言葉使いと態度に豹変するのです。

この時の屈辱感は経験したことが無い人には分からないと思いますが、経営が危機的状況に陥ってから始めて味わうことだと思います。

中小零細企業においては、リスケジュールをおこなってから健全経営に戻せた企業は1%にも満たない状況となっています。

結果として、1年、2年、5年と経過していき、金融機関からリスケの延長を拒否されて終わる事業者がほとんどなのです。

このような状況まで来ると、人権というものは度外視されてしまうことが珍しくありません。

現実的には債務者に対して債権者は優しい配慮や気遣いなど一切なく、債権回収をするために厳しい対応をしてくることになります。

債務者である経営者は、返済しなければと思っていても手持資金が枯渇しているため返済できる状況ではありません。

しかし、債権者としては今すぐ全額返済しろと要求をしてきますので、経済的弱者を助ける気持ちなどまったくないと思われた方が良いでしょう。

そんな苦しい環境に追い込まれている状況で、顧問税理士や弁護士、商工会議所等に相談をしてみると、その殆どは破産を勧めてきます。

経営者にしてみても、政策金融公庫やメインバンクだけでなく、個人でカードローンや消費者金融などから借り入れしているので破産するしかないかと思うのですが、他に術はないかという思いも強くあるのです。

このような負のスパイラルになると、売上げは減少し、返済はできない状態、借り入れは個人も含めて目一杯まで借りている。

そして破産するしか方法がないと言われて八方塞な状況に陥っていることが珍しくありません。

しかし、そんな状況であったとしても絶望的になる必要はありません。

大事なことは見栄や格好付け、執着心を捨て、最低限の知識を持って諦めずに取り組みすれば何とかなります。

破産も最終選択肢の一つですが、破産をすればすべてを失ってしまうことになります。

経営を諦めてサラリーマンとして雇用されるのであればそれも良いでしょう。

しかし、長年、社長として経営をしてきた方は、一従業員として働くことは難しいことが少なくありませんので、なるべくなら事業を継続していく方が良いのではないでしょうか。

目的は借金債務をゼロにすることではなく、どんなに債務があったとしても、ご自身の生活が安定して人生に影響を及ぼさないことが一番大事なことだと思うのです。

前向きに取り組みして行けば打開していくことができるはずです。

簡単なことではありませんが、そんなに難しいことでもありません。


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