無くならない借入金
ゼロゼロ融資を受けてから、もう既に返済が始まっている事業者もおられるかと思います。
様々な影響により経営に必要な収益を得ることができず金融事故になってしまわれる場合があります。日本の中小零細企業においては、金融機関への返済が困難な状況となりリスケジュールをしている事業者がたくさんあります。
それでも金利だけは支払いしなければと、日々、頑張っておられることかと思います。
しかし、世の中の様々な影響により経営に必要な収益を得ることができず金融事故になってしまわれる場合があります。
期限の利益を喪失して金融事故となってからは、債権者と協議をしながら完済を目指して返済をしていく経営者は少なくありません。
借りたお金は返すことが当然のことですから、そんなことは説明するまでもないでしょう。
しかし、経営危機に陥ってしまった状況において本当に完済することができるのでしょうか。
冷静に物事を考察してみれば、元本の返済を止めただけでなく金利の支払いさえもできない状況になって金融事故となったのですから、急激に業績が改善するなどしなければ難しいといえるでしょう。
ここで知識としてしっかり認識しておかなければならないことがあります。
それは、一般的に14.6%の遅延損害金が発生してくることです。
今まで1%から3%程度の金利で借り入れしたいたものが、一気に14.6%に膨れ上がる訳ですから、財務状況が正常な企業でも経営が悪化していきます。
企業によって債務額は様々ですが、例として考えてみると5000万円の借入金が残債としてあれば、5年弱で借金が1億円に跳ね上がっていることになるのです。
これって現実的には弁済できる額を超えています。
信用保証協会などでは、返済が厳しい状況であれば毎月の返済額を極僅かな金額で様子を見てくれることが珍しくありませんが、これでは真面に再起することができないでしょう。
四の五の言っても始まりませんが、これが現実だということを頭に入れておくべきだと思います。
昨今では、遅延損害金は免除してくれるから大丈夫だというコンサルタント等がいるようですが、そんなに甘いものではないことを理解しておくべきです。
このような話をすると、ご相談者の中には破産するしか方法が無いと言われる方がおられます。
しかし、本質は借金をゼロにすることが目的では無いはずです。
仮に多額の借金があったとしても、通常の生活が出来て仕事もできるのであれば、家族に迷惑を掛けることもなく人生を送ることができる。
これが一番望まれていることなのではないでしょか。
もし、そうであれば家族に迷惑を掛けることになる自己破産をするべきではないのです。
借金や債務の返済をすることばかりに気を取られて、自分を見失うことにならないようにするべきだと思います。
一番大切なことは自分や家族の生活です。
何よりも自分と家族の生活を一番優先されるべきなのです。
どんなに多額の借金があっても切り抜ける術はありますので、諦めずに頑張りましょう。