売上至上主義
中小零細企業の経営者には、兎にも角にも売上げを上げることだけ必死になられている「売上至上主義」の方が多くおられます。
売上げさえ増やせれば経営が楽になり、必然的に経営環境は改善されると思われている方がたくさんいるのです。
このようなタイプの経営者は、とにかく売上げを増やせと従業員にハッパを掛けています。
先日、係わった会社の経営者は、業績が悪化して状況が悪くなっているにも拘わらず、受注欲しさに大幅な値引きをして仕事を受けました。
結果として収支は赤字となり、売上額は増えたのですが財務状況は益々厳しい状態になってしまいました。
このような経営をしている限り経営状態が良くなることは、まずありません。
一般的に、事業計画を作成するには、前年度の売上げから10パーセント増しにするなど、売上げが増加した計画を立てることが珍しくありません。
しかし、経営で本当に取り組みして行かなければならないことは、売上げ増ではなく利益額増なのです。
これに気が付いていない経営者は少なくありません。
どんどん、ドツボにハマっていく経営者は、苦しくなればなるほど価格を下げたり単価を下げたりして売上げを増やそうとしますが、これは絶対に避けるべきです。
ではどのようにしたら良いかということなのですが、それは価格を上げれば良いのです。
こうすることにより、例え売上げが落ちたとしても増やした利益がくで十分カバーすることは可能なので、尻込みすることなく実行してみてはいかがでしょうか。
一度、値上げしたものでシュミレーションしてみると理解しやすくなります。
さて、ここからは「有事」の状況においての考え方についてお話いたします。
有事の状況においては上記に記述したことは当然ながら、それだけでは不十分です。
ここでは深いところまで記述することはできませんが、一言で言ってしまえば穴の空いたバケツから水が零れ落ちることを止めなければならないということです。
特にコロナ融資を受けた事業者は、財務内容が悪く資金繰りが苦しいから借り入れしたのだと思いますので、旧態依然のように仕事をしていれば何れ終わりになる可能性が高いです。
しかし、多くの経営者は「頑張ればなんとかなる」「売上げさいえ増やされば大丈夫」などと見込みのない可能性を信じ、自分は経営危機を改善できると思い込まれているのです。
債権債務のことや、法律の知識、金融システム、事業再生について経験や知識の無い人が「頑張る精神」だけで何とかなるのでしょうか。
これでは、先行きどのような状況になるのか想像がつきます。
もし、現状が厳しい状況であるとするならば、手遅れになる前にご相談いただければと思います。