再生型倒産と再起不能型倒産について
◎倒産の仕方にもタイプがある
【再起不能型倒産に多い事例】
倒産という言葉は好きではないのですが、合えて使うとすれば、会社の事業が停止することを一括りで倒産と言われています。
この倒産と言われていることも、実は最終的な着地点や方向性によっても大きな違いがあります。
一番具合が悪い倒産となるケースは生真面目過ぎるタイプで、兎に角、先を見ずに頑張り続けてしまう経営者の倒産だ。
- 金融機関へは何が何でも遅滞なく返済しなければならない。
- 社員や取引先に迷惑を掛けられないのでひたすら頑張る。
- 資金繰りが厳しければ自分の資産を切り崩しても支払いに充てる。
- 資産を投げ打ってでも、不動産を担保に入れてでも会社を守る。
- 妻や子供、身内を連帯保証人にしてまで資金調達をする。
- 銀行で借入ができなければ、消費者金融でも闇金融からでも借りる。
- 途中で諦めずに、最後の最後まで頑張る。
- すべてを自分でやらなければ気がすまない。
- 人の意見を聞かない。
- 債務処理を弁護士に依頼する。
- 最後の最後で諦めてしまう。
ざっと、このようなことを行なってしまう方が再起不能となってしまうことが多いようです。
会社とは本来倒産などしません。仮に事業を停止したとしても倒産ではありません。
本当の意味での倒産とは、経営者が事業を停止して諦めたときが倒産なのです。
経営者が諦めてしまうことの多くは、自宅やあらゆる不動産を取られ、資産や財産を失い、連帯保証人として生涯返済し続けなければならない状況に追い込まれ、かつ、経営していける見通しが立たなくなってしまった時に心が折れてしまうのです。
そして、行き着くところまで行って弁護士などの法律家に相談をすると、自己破産するしか方法がないと言われ断念をしてしまうことで、再起不能の道へと進むことになります。
これが、再起不能型倒産の良くある事例です。
【再生型倒産】
事業再生できる場合は、既存の会社を守ることに固執し過ぎないということが重要です。
経営者の多くは、日々必死になって経営をしてきたのですから自分の会社への思い入れが強いのは当然なこと。
しかし、頑張れば経営悪化が改善される場合と、いくら頑張っても経営状況が良くならないこともあるのです。
この見極めが非常に重要です。
今の事業を継続して行きたいと考えていて、借金の返済さえなければ健全経営をしていくことが可能だということならば、早いうちに計画と準備対策を整えて、事業再生に取組むべきです。
即ち、既存の会社への拘りを捨てて、事業を継続していく道を決断できれば事業再生を果たせる可能性は高くなります。
但し、債務処理と事業再生をするに簡単にはできません。
よって、自分一人で抱え込まず強力なパートナーを得ることが大事なことです。
しかし、弁護士や司法書士などの法律家では、債務処理はできても会社を再生させるのは、難しいことが多いようです。
法律の知識と金融システムを熟知しつつ、債務処理を絡めた事業再生のノウハウや手法を得意とし、経験が豊富なパートナーを見つけることができれば、現状の中でも最良な事業再生を果たせる可能性高まるのではないでしょうか。
◎法律家の破産手続きによる弊害と問題点
債務処理というと、ほとんどの人は弁護士などの法律家を思い浮かべます。
そして、相談をした経営者のほとんどが自己破産を勧められて落胆します。
自己破産も時としては良いこともあるのだが、債務処理と事業再生を行なうにあたり、その殆どが必要ない手続きと言えます。
資産と保証関係についての確認
弁護士などは、債権者へ出来うる限りの返済をして債務処理し、返済しきれなかった債務は法的手続きにより抹消することを行ないます。
しかし、本来はそれで終わりとはならない。何故ならば、債務者の人生や生活に対しての対策がまったく取られていないからです。
税金等以外の債務は消滅するが、債務者の資産財産は無くなり、かつ、仕事も無くなり収入もなくなるのです。
これで、どうやって生活をしていくのだろうか?
法律家は、債務処理が完了すれば自分達の役目は終わりということで、その後の生活に関することなどは、依頼されたこと以外で別問題だというぐらいにしか考えていないことが多いと見聞きします。
この状態に追い込まれてしまった経営者が再起する為に非常に困難な状況に陥ってしまいます。
このようなことから、債務を消滅させるためだけに注力を注ぐのではなく、債務対策をすると同時に事業再生を行なっていくことが重要なことです。
そして、最大限の資産財産を残しつつ、経済活動を続けていくことが再生再起できる大事なことなのです。
それを実現させるには、ノウハウや手法、法律の知識と金融システムを熟知していなければ出来ません。
このように、何かが不足しても困るし偏った手続きだけでも上手く行きません。
いつの場合においても、経済活動を止めないということを念頭に入れておく必要があります。