資金繰りブログ

金融庁調べ・リスケ返済猶予効果乏しく

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『 返済猶予 効果乏しく 』

 

以前、日経新聞の記事に出ていた記事です。

 

幾度と無く、リスケによる返済猶予は事業再生の役には立たず、一時的な延命をするだけに
過ぎない対策だと伝えてきましたが、

 

やはり、それを証明するかのような結果が金融庁の調べで分かりました。

 

内容は、返済猶予を受けたうち64%の中小企業が4年以上改善せずリスケを続けているのです。(1年~4年未満が36%)

 

条件変更から5年以上経過している中小企業は43%もあります。

 

現在、条件変更をしている中小企業は、約11万社にも上るのですが、リスケで再生できた企業はほとんど無いのですから、多くの企業が倒産していくことは否定できません。

 

銀行に【リスケ返済猶予をして再生できた企業はありますか】と聞いてみても、必ず、ほとんど
ありませんと答えてくるのです。

 

本来は、返済条件を一時的に緩めている間に再生させることを目指したものですが、実際には条件変更を繰り返しているだけの事例が多い。

 

また、記事には銀行が債権計画作りなどで継続的に支援している場合も47%にとどまり、担保があり債権が保全できる貸し倒れリスクが低い企業については銀行が『 放置 』していると書かれています。

 

これはどういうことかと言うと、銀行はリスケの条件変更した企業は再建することが出来ないと考えているため、後は何もせず倒産するのを見ているということなのです。

 

事業用不動産や経営者の自宅などを担保にとっていれば債権保全ができること。

 

そして、中小企業のほとんどが信用保証協会の保証付き融資のため、企業が倒産しても代位弁済をしてくれるので銀行は慌てることもなく静観していればいいということなのかも知れません。

 

このように、本来は中小企業の再建のために行なってきた施策なのですが、実際は一時的な延命にしかなっていません。

 

突発的な事象により、急場を凌ぐための条件変更ではなく、万年赤字体質の企業の資金繰りが厳しいための返済猶予は、赤字体質から脱却できない限り意味をなさない対策でしかありません。

 

この結果を見て、金融庁は厳しい対応をとることになりそうです。

 

銀行に対しては、今までリスクが無く高みの見物をしていたことを転換させ、担保や保証に依存した融資から銀行が適切にリスクを取る方向に変えることで事業再生を進める考えのようです。

 

この施策により、銀行はリスクが高まるため融資を行なう上での与信審査を厳しくすることに
なるでしょう。

 

また、信用保証協会からの保証制度も見直されるかも知れませんね。

 

そして一番心配なことは、今回の金融庁の施策転換に伴い、現在リスケ中の企業に対して軋轢が
生じる可能性があることです。

 

銀行としても、金融庁から手厳しい施策を押付けられる前に、何年も再生できない中小企業と
手を切りたいと
条件変の延長をせず、見切りをつける動きになる可能性があります。

 

金融庁も紙面では不振企業の抜本的な事業再生を進めるように書かれていますが、本音は、失敗した中小企業金融円滑化法を見直して、いつまでも条件変更を繰り返している企業を消滅させたいのだと思います。

 

そして信用保証協会が代位弁済した、回収しきれない公的資金の負担を軽減させ、リスクを銀行に大きく取らせる方向へ転換していくのが分かります。

 

このようなことから、現在リスケで返済猶予を受けている企業の経営者も対策を取らなければ
なりません。

 

また、リスケをしてもそのほとんどの企業が再生できないということも認識する必要があります。

 

ですから、本気で事業再生を望まれるのであるならば、1日も早く現状から変えて行く手立てを
取る必要があるかもしれません。

簡単にはできませんが、真剣に取組む意思があれば成し遂げることができる可能性が高まるの
ではないでしょうか。

 

私たちは、全面的に経営者の力になります。

 

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