今日は、自ら苦境の道を選択された方についてお伝えいたします。
先ず、サービサーや保証協会からまった無しの要求を突きつけられると、周りの人達や
弁護士、税理士の法律の専門家から自己破産を勧められることが少なくありません。
そうなって来ると、もう自己破産しか術はないという妄想怪獣が現れてきます。
そのご相談者の方は、自宅兼店舗の所有と空き屋の戸建1棟の所有、及び実の息子家族が
住んでいる戸建1棟と田んぼを所有しています。
サービサーにはその全部の不動産を担保に取られており、1ヶ月以内に店舗を契約し賃料収入を上げて、返済額をUPしなければ競売に掛けると脅かされていました。
保証協会には息子も連帯保証人となっており、親子共々返済から逃れられない状態です。
そこで、ある決断をしてサービサーに対応していくことにしたのですが、
既に経営破綻して再起できない会社が大事、不動産を失うのはご先祖様に申し訳がたたない、苦労して手に入れた不動産は失いたくない、田んぼは将来宅地になれば価値が上がるかも知れないので手放したくない。
そして自己破産は絶対にしたくない、息子やその家族、孫にも迷惑を掛けたくないという
お考えでした。
自己破産をせず、息子も守り、家族や孫を守ることの可能性が無いとは言えません。
不動産もやり方次第では守れる可能性が無いとも言えないのです。
しかし、既に営業経済活動を停止している破綻会社に拘ることにより、あらゆることの
支障となり事業再生を断念せざるを得なくなってしまいました。
一生かかっても返済できない負債を抱え、不動産も担保に取られているにも関らず、
そのような拘りに何のメリットも生まれないのではないでしょうか。
最終的には顧問税理士と法律家に言われるままに自己破産の道を選び、息子や家族、幼い孫に至る全員に迷惑を掛ける道を選択されました。
非常に残念なケースですが、あらゆる身内、家族の幸せよりも破綻会社を優先されたのですから仕方がありません。
経営者の方は、これも自分の人生だと申されておりました。
聞こえは良いのですが、その影響により息子、家族、幼い孫の代に至るまで延々と借金返済が続くことになることを承知で決断することは理解に苦しみます。
1年から2年ぐらいのうちに、すべての不動産は競売で人の手に渡り、自分自身は自己破産をし、残債の返済は息子から孫へと受け継がれていくことは先が見えています。
苦境を選択した、悲惨なケースとなるでしょう。
本人の意思により、助けられなかった事例です。