詐害行為

2020.03.23

詐害行為

令和2年4月1日から民法が改正されることは既にお伝えしていることですが、その中の債権法で詐害行為についても改正されることになります。

詐害行為とは、弁護士の先生や各士業の先生方、並びに金融機関、ノンバンク、サービサー等々の金融債務を有する企業、そして債権債務問題で頭を悩まされている経営者ぐらいしか知らないような言葉です。

中小零細企業の経営者の中には、生涯、耳にすることもない人がおられるかも知れません。

そんな詐害行為が改正されることになるのですが、金融債務などがある中小零細企業にとっては非常に重大なポイントになる可能性があるので、しっかり理解・把握しておく必要があると言えます。

特に、資金繰りが厳しい状況であるとか、既に経営が困難な状況に陥っているとか、債務超過になってしまっている、信用保証協会から代位弁済されているなどの状況であるとするならば、十分注意しながら対応・対策をしなければ、後に詐害行為と指摘を受ける可能性が高くなります。

そのようなことから、借金債務は無くしたいけど資産だけは守りたいなど、自分の都合の良いことだけをインターネットで調べた程度の自己流・無手勝流で取り組みすると、債権者から詐害行為取消請求の裁判を起こされる可能性が高いので、十分留意する必要があります。

一般的に良く聞くケースでは、金融機関からの借入金返済が困難な状況となり、差押えをされて自宅不動産を取られないようにするために奥さんへ生前贈与したり、身内や知り合いと架空売買する行為や借金をした形にして担保を設定するなどの行為です。

債務超過などになっていない健全経営ができているときには何ら問題とならない行為であっても、経営破綻しているような状況で同じような行為をすれば、債権者としては資産を逃がしたという判断をすることになるので、改正後は詐害行為取消請求裁判が増えるかも知れません。

今回の改正された内容を見てみると、単純に捉えれば経営困難な企業が行うあらゆる行為は詐害行為に該当するようにも受け取れるような条文ですが、詐害行為かどうかを判断するのは裁判官だけなので、様々な専門家が詐害行為になるから止めた方がいいということには必ずしもその通りとならないこともあります。

何れにしても、事業を継続していくためには様々な取引や商行為が必要不可欠なので、経営が危機的状況の環境下においては、詐害行為に留意しながら会社再生・事業再生に取り組むことが大事なのではないでしょうか。