資金繰りブログ

経営危機の始まり

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経営危機の始まり


震災など、思いもよらぬ突発的な事象により経営困難な状態に見舞われることがあります。


普段どおりの経営が継続しているとするならば、大口の取引先が倒産して多額の売掛金が回収できないとか、主要取引先から取引を停止されたなどなどということにでもならない限り、行き成り経営困難となることはないのではないでしょうか。


多くの場合、経営に障害となる何らかの要素から始まり、その要素が関係している様々なことに影響を及ぼすようになります。そしてそれらが要因となり経営危機の始まりとなります。


この状況であれば、一つ一つ障害となる要素を解消して行くことにより経営改善させることができるでしょう。


本来であるならば、この時点で主な要因を改善させ、正常な健全経営に軌道修正させるべきと言えるのですが、実際は不安を感じながらも追加融資を受けて乗り切ろうとされる事業者が少なくありません。


それでも経営危機を打開できるほどの売上や利益を伸ばすことができるのであれば良いのですが、余程のことがない限り急激に改善することは難しいのではないでしょうか。


ここで大事なことは、とりあえず資金を借りれば何とかなると問題を先送りしてしまうのか、または冷静に現状を分析して経営改善に取り組みされるのかで、未来の結果が大きく変わってしまう可能性が高いことを認識することです。


経営危機を打開する初めのポイントは、この時点と言えるかもしれません。


経営危機を打開するのは経営者の責務であり、経営者が自ら主体的に行わなければならないことなので、この判断が誤ったり、取り組みする時期・タイミングを外してしまうことにより、改善することができるか否かが左右されてしまうこともあります。


結果として、経営危機となった時点での要因を解消せず、見て見ぬふりをして対処しないことにより更なる窮地に追い込まれてしまうことになってしまうとするならば、それは「経営者の考え方と行動が主要原因」となることになります。


このように考察してみれば、始まりの要素や要因は対外的なことからであっても、失敗する原因は経営者自らが引き起こしたことになるので、ある意味、自業自得となってしまいます。


早い時期であれば経営を改善する対策で解消することができるでしょうし、場合によっては会社再生や事業再生への選択肢を視野に入れなければならないかも知れませんが、何れにしてもどこかの時点で取り組みを始めなければ最悪の場合は、破綻や倒産ということになる可能性がありますので、あらゆる手段を講じて行くことが必要不可欠です。


但し、ここで認識して置かなければならないことは、経営が危機的状況に陥っている状況において、自分の希望や理想をすべて思い通りに解決することは無理だということです。


危機的状況の程度や諸条件にもよりますが、少なからず痛みを伴うことは当然にあることですし、何も無かったかのような状態で行き成り健全経営ができるようになったなどということは不可能なので、その覚悟は持たなければなりません。


ですが、経営者の責任として、家族や従業員、取引先を守ることは当然のことであり、守れる人は経営者本人しかいないのですから、全身全霊で社会的弱者を守らなければならないのではないでしょうか。


痛みを伴う覚悟を持ち、見栄や体裁、格好、意地を捨てて真剣に取り組みされれば、厳しい環境から抜け出して多くの関係者を守ることができる可能性は低くありません。


「自分はこれだけやった」と胸を張って言える結果を厳然と示していくことが大事なことだと思います。

 


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