資金繰りブログ

借りられる決算書

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借りられる決算書


自らが経営している会社であっても、その財務内容を熟知されている経営者は少ないのではないでしょうか。


会社の財務内容を把握するのは、先ず始めに決算書を見ることになりますが、顧問税理士の先生や会計士の先生の目線と金融機関の目線、経営者の目線、コンサルタントの目線が異なることは珍しくありません。


顧問税理士の先生は、決算書を作成する目的が当期純損益と法人税の納税を主眼においており、税務署に申告するための資料作りとなる傾向があります。


また、金融機関の目線では、融資を行うにあたり貸したお金を返せるだけの体力があるか否かを判断するための資料として見ています。


次に経営者の目線では、損益を重要視しており、利益が大きくなれば多額の税金を納税しなければならなくなり、損失が出れば銀行から融資を受けられなくなってしまう可能性があることから、ギリギリ黒字で納税は限りなく少ない程度の決算書を望まれている経営者は少なくないようです。


ここまでは、そのほとんどが顧問税理士の先生任せで、年度末ギリギリの段階で「もうちょっと利益を減らせませんか」とか「何とか黒字にできませんか」などとやり取りをしながら完成させていることは多々見受けられます。


コンサルタントが目的とする決算書とは、その会社自身の体格を判断する資料として見ていることと、会社の体質を改善させるために具合の悪いところはどこなのか、そしてどうすれば健康体になれるのかということを知るための資料だということなのです。


中小零細企業においては、どうしても資本が小さいことから金融機関からの融資が必要となります。


しかし、業績が悪化してしまったり、経営が危機的状況に陥ってしまうと借り入れが困難な状態となり、途端に窮地に追い込まれてしまうことになるのです。


そこで売上至上主義な経営者は、とにかく売上を上げなければと必死に仕事をされるのですが、急に業績が上向くことはなく、厳しい状況から抜け出せない事業者は少なくありません。


経営者の中には決算書が出来上がっても「ろくに目を通さない」という方も珍しくありません。そのような方は大概、損益計算書の総売上高と損益を見て、売上が増えたとか減ったとか、赤字だとか黒字だとかを見て終わりなのです。


ですが、これで何もしなければ体質改善もできず、体格が良くならないため追加融資を受けることができないということに繋がります。


自分自身の体は、風邪をひいたり胃が悪いとか、膝が痛いなどとなれば病院に行って治療を受けるなどして体質改善しているはずなのに、いざ会社のこととなると人任せで何もしない経営者が多くおられるのです。


本来であるならば、決算書の仕組みを知り、どこをどのようにすれば資金繰りが良くなるとか、銀行から融資を受けやすくなるのかということを理解する必要があり、そのような理想の決算書ができるよう、日々改善していくことが必要不可欠なのではないでしょうか。


金融機関から融資を受けれるようにしたいならば、金融機関が是非借りて欲しいと思うような決算書を作成されるべきなのです。


ですが、これは見栄えの良いように粉飾するということではありません。


適正でありながらポイントを抑えた決算書の作り方が大事だということです。


金融機関も重要視しているポイントがありますので、そういう視点から内容が良い決算書作りに取り組みされてみてはいかがでしょうか。


借りられる決算書という、見栄えの良い決算書をつくるにはポイントがあるのです。

 

 


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