過剰な借り入れ
自己破産の申し立てを行い、破産手続き開始決定後、免責許可の決定が下されると経営者は重圧から解放されて安堵な表情をされます。
今まで眠れない日々を過ごしてきたのですが、これで眠れるようになると思われるでしょう。
これでもう、金融機関や取引先などの債権者から執拗な請求を受けることがなくなったので、安心して過ごせるようになると胸を撫で下されるのです。
しかし、これで本当に安心して暮らせるのでしょうか。
本当の苦しみはこれからなのです。
自宅や工場、店舗は競売に掛けられ、従業員は解雇されて失業者となり、家族とは離散を余儀なくされる状況に見舞われるかもしれません。
引っ越し先の借家やアパートを借りるにしても、破産者ということから思うようなところが借りられないのです。
破産で認められている手持ち現金は極僅かなため、直ぐにでもこれからの生活費を稼がなければならないのですが、生活を維持することができる収入を得られる就職先などは見当たらず、働くこともできない状況です。
子供の学費を支払うお金もないのでアルバイトをさせなければならないし、奥さんにはパートで働いてもらわなければ生活が成り立ちません。
このようなケースは破産をした多くの人達が味わっていることであり、こんな経験は絶対にするべきではないのです。
中小零細企業が倒産に至るのは、兎にも角にも過剰な借り入れが原因です。
この過剰な借り入れは、経営者が資金不足になればお金を借りて凌ぐという考え方を変えることができず、資金繰りが苦しくなると借りる。そしてまた資金繰りが苦しくなると借りるということを繰り返してきたことの結果です。
本来、経営者であるならば、破綻や倒産の不安を覚えたり、前触れを感じたならば直ぐに対策や手立てを講じるべきなのですが、それをスルーしてお金を借りて間に合わせることだけをして来られたので、にっちもさっちも行かない状態に行き着いてしまったということです。
このような負のスパイラルにはまり、破綻や倒産をしてからでは遅いのです。
ですから、何の考えも対策もなく、次から次へと過剰な借り入れは止めるべきであり、直ぐにでも経営改善や会社再生、事業再生に取り組みされることが自分や家族を守ることに繋がるので、実際に行動に移すことが大事。
仕事も行動も先手必勝で、後回しにする人は時間を追われ経済的損失を追う可能性が高くなります。
後で失敗したと後悔しないために、一日も早く取り組みを始めるべきです。