会社と社長が生き残る術
経営危機に陥ってしまった企業を再生させるには複数の再生スキームがあります。
大きく大別すると、一つは法的手続きによる再生。 もう一つは私的手続きによる再生です。
このどちらを選択すれば良いのか迷われることと思いますが、判断基準としては、先ず、社長の想いや希望はどのようにされたいのかということが基本的な考え方のベースとなります。
例えば既存会社の経営を改善させて債務超過を解消し黒字化させたいとか、事業そのものを見直して収益性の高い事業に切り替えるとか、または、会社再生を断念して事業を残すことを目的とするなど、再生を目指す目的や希望は様々あると思います。
再生パターンとして分類すると、ざっくり4つのパターンがあります。
1・法的手続きで既存の会社を再生させる。
2・法的手続きで新たな経営法人で再生させる。
3・私的手続きで既存の会社を再生させる。
4・私的手続きで新たな経営法人で再生させる。
具体的な詳細や手続方法、選択肢はいろいろあるためここでは割愛いたしますが、第二会社方式を活用して事業譲渡やM&Aなど、状況に応じて対応しているケースが増えています。
今までの事例や世間一般で見聞きすることでは、再生されようとされる経営者は、大きく膨らんでしまった借金債務により、どんなに頑張っても経営を改善して債務を減らすことが難しという状況であったり、
リスケや資金調達専門のコンサルに依頼していたことで、無駄な時間を過ごして既存会社での再生を諦めざるを得なくなってしまっている企業の割合が大変多くなっています。
しかし、大半の経営者は既存の会社を再生させたいと希望されるので、もし、既存会社の経営改善を目的とされるのであるならば、どうにもならなくなる前に会社再生に取り組みされるべきと言えます。
現実的に既存会社の経営改善は難しいと判断しなければならない場合は、法的手続きで新たな経営法人で再生させるか、私的手続きで新たな経営法人で再生させることになりますが、個人的には社会的に公表されない私的整理で行うべきと考えます。
もちろん、債権者が非常に多く、詐害行為などの指摘を受ける可能性が高い場合やスポンサーの支援を受けられるような場合には法的手続きも視野に入れることはリスク回避に繋がることもあります。
また、私的手続きにおいても事業譲渡やM&A、会社分割など、いろいろな選択をすることができますが、単に新設会社を設立して事業を移すなどということを行うと詐害行為などという指摘を受けることもあるので、しっかり留意する必要があります。
更に、他の手続きとしては、法的手続きと私的手続きの両方を用いた対応をすることもあります。
このように、さまざまな選択肢や手続き方法がありますので、社長の想いや希望、諸事情を考慮したうえで、事業を維持していくことが社会的弱者を守ることになります。
100社あれば100通りの諸事情があり、会社と社長が生き延びる再生方法は二つと同じものはありません。
助けを求めるSOSサインが早ければ早いほど支援の幅は大きく広がります。
マズイ、と実感した時にはすべてが遅いという状況になっていることが少なくありません。
また、現状から変化したくないということは、ものの見方、考え方が何かにとらわれ固着している状態です。
真の再生を目指すなら、自分の立場も権威も見栄も体裁もかなぐり捨てて未踏に挑まれるべきではないでしょうか。