資金繰りブログ

第二会社方式で事業を継続

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第二会社で事業を継続


会社を経営していくにあたり、経営環境が非常にスピ―ディーに変化していくことがあります。


今まで順調に経営を行うことができていたことが、メインの取引先が倒産してしまったり、売掛金の回収が困難な状況となったり、主力の従業員が退職してしまったりなど、思いもよらないことで経営が困難な状態となることは珍しくありません。


そのようなことから、今、現状問題がなかったとしても、いつ何時どのような環境になるかわかりませんので最低限の準備と対策はとっておくべきだと思います。


今、現実に経営危機となられている企業においては、先ず、経営状況の実態を正確に把握する必要があります。


同じ経営危機といっても、一時的に資金が不足してしまうなどという比較的軽度の経営危機から、現状の経営改善を徹底的に行い会社を再生させる必要がある経営危機、または外科的手術を施して第二会社で事業再生を行わなければならないほど経営が悪化している企業まで様々です。


特に失敗しやすいケースは、明らかに既存の会社で経営改善できる可能性がないほど深刻化しているにも係わらず、第二会社などの外科的手術を行わずに、とりあえず融資を受けて一時凌ぎをするような軽度の経営危機の対応で済ませてしまうことです。


この状態に陥る原因は、経営者が現状の経営形態に固執することで第二会社などの新しい取り組みを躊躇してしまうことや、資金調達することで会社を延命化させることを主眼点においたコンサルタントが係わることの影響が少なくないようです。


第二会社方式にはいくつかの形態がありますが、現在、中小企業庁が制度化し推奨している取り組みがあります。


この制度は、債権者となる金融機関から旧会社の債権処理についての協力を得ながら進めて行くものであるため大変ハードルが高いことが難点なのです。


本来、第二会社の目的とは、旧会社の債務はそのまま残して第二会社へ事業を譲渡することで、第二会社が債務を引き継がないということがポイントとなるのですが、債権者である金融機関は債権を失うことになるので、なかなか簡単には物事が運びません。


そのようなことから、時と場合によっては第二会社方式を応用した私的な任意での対応で取り組みするしか方法がない場合もありますので、そこは臨機応変な対応が必要となるかも知れません。


但し、大事なことは法務や税務についてしっかりとした対応が必要とされますし、無手勝流で安易におこなえば詐害行為などと指摘を受けることにもなり兼ねませんので、専門家を交えて対応をする必要があると言えます。


また、旧会社の債務処理や清算については、弁護士や税理士の協力を得ながら対応をしていくことで処理することができます。


このように第二会社方式とは中小零細企業が事業再生するには大変素晴らしい再生方法だと言えるのですが、あくまでも本業が黒字であるということがポイントとなります。


せっかく債務を切り離して第二会社で再生することができたとしても、本業が赤字であれば必ずどこかの時点でまた行き詰まることになるからです。


事業を継続するということは、家族を守り従業員も守る。そして取引先も守ることに繋がりますので素晴らしい取り組みだと言えるのですが、必ず本業を黒字化させることは必須条件となります。


破産をしてしまうことは簡単なことかも知れません。


しかし、第二会社としてでも事業を継続させることでしっかり儲けてたくさん納税し、仕事で様々な要望に応えることで社会貢献できるのではないでしょうか。


従業員の雇用確保や取引先からも必要とされているのですから、債権者からの指摘を受けない形での事業再生は社会的に受け入れられるのではないでしょうか。


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