資金不足の原因・・・多重債務
昔から借金地獄という言葉があります。
世間では、借金地獄だなどと冗談で言われる方がおられますが、本当に多重債務者となり資金が不足してしまう人に取っては死活問題というぐらい困難な状況に追い込まれているかも知れません。
企業を経営するにあたり、中小零細企業のような小資本の場合は、ほとんどの企業が少なからず金融機関から借り入れをしています。
経営が順調なときには、さほど必要としなかった資金も、売上が低下してしまったり収益が圧迫されているような状況となれば資金不足となるため金融機関からの借り入れにより補うようになります。
お金とは不思議なもので、お金がないところからお金があるところへ、どんどん流れて行くようになっているのです。
中小零細企業が資金不足で返済が困難となる借金地獄に陥る原因は、経営者の考え方と行動にあることは言うまでもありません。
それは非常に単純なことで、例えば手元資金が不足するとのことで2000万円を借りたとします。
その返済条件は月に40万円ずつで、60カ月で弁済予定です。
そして30ヵ月が経過した時には、残債の元本は1000万円になっています。
そこで資金が不足することになったので、更に1000万円を借りました。
この時の返済条件は月に20万円ずつで、60か月で弁済予定です。
いかがでしょうか。 この時点においては、借入額は2000万円と当初の額から増えてはいないのですが、毎月の返済額は1.5倍の60万円に増えてしまっているのです。
これを何度も繰り返して行けば、毎月の返済額が雪だるま式に増えて行くことは説明するまでもありません。
また、売り上げが減少してしまうなどの要因が重なれば、毎月返済するスピードよりも借り入れる額が増えて行くことになりますので、毎月の返済額がどんどん大きくなるだけでなく、借入金の総額も大きくなっていくことになります。
更によくないケースでは、会社では借り入れできないことから経営者や、その家族まで巻き込み、個人でカードローンやノンバンク等から借金をして会社の借入返済に充ててしまうことです。
簡単に言ってしまえば、借りたお金を返すために次から次へと借金を増やしていくということ。
このような状態に陥ってしまう経営者は、非常に生真面目なタイプの方が多いようです。
借りたお金は返すのが当然なことなのですが、結果として返済出来ないほど借金が大きく膨らんでしまうことにより、たくさんの債権者が被害者となることになりますので、他から借りて返すという考え方は間違っています。
もし、このような多重債務者への方向に進んでいるとか、または既に多重債務者となってしまわれている方は、もうこれ以上新たな借金をするべきではありません。
本当に行き詰まって返済できないということであるならば、返済を待ってもらった方がどんなに良いかと思います。
近年では、債権債務問題を解決するための様々な対応方法や選択肢がありますが、お金を返すために他から借りて返すということは一番行ってはいけない禁じ手ですので、今直ぐに軌道修正されるべきでしょう。
もうどうにもならないというところまで行き着く前に、伸展に伴う情報を素早くキャッチすることが大切です。