頑張るところが違う
頑張れば頑張っただけ、結果が付いてくる。
頑張れば頑張っただけ、結果が表れてくる。
諦めずに頑張れ。 お前なら必ずできるはずだ。
子供の頃から両親や祖父母、先生など、関わる大人たちから言い聞かされてきた言葉です。
社会人になると、思うように営業成績が上がらなかったり、仕事で悩んでいるときなども、上司や同僚から頑張れと励まされたことがある人は少なくないでしょう。
このように頑張ることで悩みや問題を解消し、良い結果に結び付けることができるということから頑張ることを促します。
多くの人は、頑張れば何とかなり、悪い状況から抜け出して良い結果に結び付けることができると理解しています。
子供の頃から大人になるまで、そして社会人として仕事をしている現時点においても、困難に立ち向かうために頑張るしか無いと思って行動をされています。
しかし、債権債務問題を抱え、経営が危機的状況に陥ってしまっているときは、頑張ることが良いと言えないことがあります。
もちろん、経営者は諦めずに頑張らなければなりません。
諦めずに会社や家族、従業員を守ることは経営者としての責務でもあり、安易に妥協などできないことは当然のことなのです。
但し、ここで留意しなければならないことは、頑張る内容や方向性を間違わないようにすることです。
もっと分かりやすく言えば、業績が低迷し続けている債務超過の状況において、金融機関への返済や取引先への支払いする資金が不足してしまうなど、常に資金不足の状態を補填するために、次から次へと借り入れを繰り返して延命化させることです。
このような出口の見えない状態において、個人の資産を注ぎ込み、新たな借り入れをすることは、被害者となる債権者を増やすことにもなります。
また、家族を始め、社長を信じて付いて来てくれている従業員や取引先にも多大な迷惑を掛けることになる可能性が高くなるだけでなく、頑張り続けることにより、更なる状況を悪化させていくことは目に見えてわかることだからです。
しかし、多くの真面目な経営者は、日増しに状況が悪化していることを承知していながら現状を変えられず頑張り続けられる方が珍しくありません。
では、なぜこのように頑張り続けるのでしょうか。
その理由の多くは、今、何をどのようにしたら良いか分からないから追加融資を受けたり、個人で借り入れをしながら倒産しないように頑張るしかない。
これでは、何れどこかで行き詰まることになるのではないでしょうか。
このような状態の場合には、自社の現状を正確に把握理解し、頑張る内容や方向性を的確に判断するべきだと言えます。
経営者にとっては、現状の歩みや考え方、行動を変えるということは大きな不安を覚えることで非常に勇気がいることだと思います。
しかし、どうすることもできなくなる状態になる前に、的確な方向に向けて頑張ることができれば、今の状況を抜け出して会社の再生を図ることも不可能とは言えません。
返せる当てのないお金を借りることを頑張るのではなく、会社を再生させることを頑張ることへ軌道修正されることも方法の一つかも知れません。
もし、経営危機を打開できる見込みが無いのであるならば、冷静に状況を見極める必要があると言えます。