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執着を手放す

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執着を手放す


人間には、さまざまな欲があります。


食欲、性欲、物欲などはよく言われているものです。


この欲に絡むものとして、人には執着というものがあります。


私たちは、たくさんのものを手に入れているだけでなく、日々、もっと多くのものを手に入れようとも、もがき苦しみながら頑張っています。


この手に入れようとしているものは人それぞれ違いますが、中小零細企業の経営者にとっては安定した健全経営であったり、既存の会社を大きく発展させることであったり、高額な所得を得ることであったりなど、どうしてもこうなって欲しいと思うことがあるのではないでしょうか。


特に、中小零細企業の経営者は、「こうでなければ嫌だ」 「どうしてもこうしたい」 と執拗に何かにとらわれているかのような執着心に縛られている方が少なくありません。


経営危機となられている社長に多く見られることは、「絶対に自宅だけは取られたくない」 「絶対に資産を失いたくない」 「絶対に信用を失いたくない」 絶対に・・・・・・と、あれもこれもと執着して、掴んだ手を放すことを拒み続けることです。


そして、長い年月もの間、悩み続けた挙句、もがきぐるしみながら最後を迎えることも少なくありません。


ここで大事なことは、絶対にこうでなければ嫌だという執着は止めて、ガブっと掴んでいる手から拘りを離すことです。


絶対こうでなければ嫌だから、そうなったらいいな。 に考え方を変えればいいのです。


債権債務問題において勘違いしやすいことは、雁字搦めに縛っているのは債権者ではなく、自分自身が 「こうでなければ絶対に嫌だ」 という執着から離れられないことが原因なのです。


「そうならなくてもいいけど」 「なったらいいな」 という発想に切り替えることができなければ、自分で自分を縛っていることとなり、いつまでも経営を改善させることはできないのではないでしょうか。


経営危機の社長が執着するべきことは、会社を再生させて家族や従業員を守ることです。


執着するところを間違えると、成功できることもできなくなってしまうこと成り兼ねません。


今、掴んでいるその手を放す勇気があれば、その想いに繋がるかも知れません。

 


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