心の財箱(たからばこ)
会社の業績が落ちていたり、財務内容が悪化しているときの経営者の心境は、その状況に陥ったことのある経験者でなければ分かりません。
非常に真面目過ぎたり精神的に弱い経営者などは、うつ病になられてしまう方もおられます。
また、前職時代には、多くの夜逃げをされた経営者や残された家族を見てきましたし、知り合いで自殺をしてしまった方などもおられます。
今思い起こせば、夜逃げをされた経営者や自殺をしてしまった経営者も、誰一人としてそのような行動を取る必要はなく、会社を再生させることができたのだと思っています。
この大きな違いは、会社を再生させていくための知識を持ち合わせているか否かによって変わるのだと言っても過言ではありません。
なぜならば、問題を解決するための方法や様々な選択肢があることを知っていれば、この場から逃げなくても大丈夫だと思えるからです。
うつ病にしても、夜逃げにしても、自殺にしても、残された方法は、この場から逃げるしかないということの衝動から起こっていると言えます。
この大きな心の不安と恐怖心から、心が病んだり思考回路が機能しなくなってしまうのだと思うのです。
そして、結果として大きな悲劇を生んでしまうことになる。
これは絶対に避けなければなりません。
兎角、真面目な経営者の方は、もうどうにもならないというところまで頑張り続ける傾向があります。
そして、頭の中で様々なことを妄想するようになるので、何とかしなければと的確で完璧な解決方法を求めるようになるのです。
童話や昔話のストーリーのような、あらすじや道筋、手順です。
川で洗濯をしているお婆さんが桃を見つける。
次に桃を割ると桃太郎が出てくる。
次に大きくなった桃太郎が鬼退治に鬼ヶ島へ向かう。
次に・・・・・・・・鬼を退治して一件落着。
このように、会社を再生させる手順や道筋を納得できる完璧な状態を追求して求めることにより、そんな旨い方法などないと断念してしまうのかも知れません。
しかし、今は完璧な答えを求める段階ではなく、また、求める必要もありません。
先ずは、いろいろな選択肢があることを知るべきだと言えます。
そして、100パーセントで100点満点を求めないことも大事なこと。
例え70点でも会社を再生することができて、家族や従業員を守ることができるのであれば良いではないですか。
でもそれには大切なことがあります。
それは、「心の財」をぶれずに輝かせることです。
今まで行ってきた事業に対してはプロ中のプロであり、経験と知識、事業を継続させるという強い心は財産です。
今の大きな問題を解決するためには、何があっても負けないという強い想いと未来を切り開く力を持つことが大切です。