動産差押
突然、ご相談者のところへ裁判所の執行官が家財道具の差押えにやってきました。
自宅には奥さんと子供が在宅だったのですが、ポストには不在でしたので、後日、動産の執行を行う旨がが書かれた書面が入っていました。
裁判所の執行官は、家財道具の差押えをするときには、不在であっても鍵を開けて執行する権限を持っているのですが、実際はそのようなことをすることは少なく、前もって執行する日時を約束して来るケースが少なくありません。
今回のケースでは、政策金融公庫が動産の差押えの手続きをしました。
なぜ、あの政策金融公庫が動産の差押えを行ってきたのか意味がわかりませんが、何らかの目的があったのでしょう。
動産の差押えとは、テレビや映画などで見られるような家財道具に赤紙をベタベタ貼るようなことはありませんし、家から家財道具を運び出しトラックに積んで持ち帰るようなことはありませんので心配は無用です。
結局のところ、何も押さえる物はなく執行不能ということになるのですが、他人に家の中に入られるので気持ちの良いことではありません。
政策金融公庫については2年ほど前に裁判が行われ判決が出ていますが、今まで何もなく時間が経過していたのです。
しかし、今になって行き成り家財道具の差押えをしてきたということで考えられることと言えば、単なる嫌がらせか最後の債権回収の試みなのかも知れません。
即ち、もうどうやっても回収することは無理だと判断したことにより、動産の差押えという手段をもって回収を諦めるということも考えられます。
政策金融公庫だけに限らず、金融機関では家財道具の差押えで債権回収できるとは考えていないと思います。
それでも行ってくるということは、債権回収以外の目的があるように思えるのです。
このように、政策金融公庫でも動産執行の手続きをしてくるケースもありますので油断は禁物です。
ですが、もしかすると不良債権を処理して終わりにする一つの方法として行ってきた可能性も否定できませんので、すべてが悪い話では無いかも知れません。
何れにしても、債権債務問題を処理する考え方が変化してきているようなので、良い方向へ進んでくれれば良いと思います。