経営者応援ブログ

自分はどうなってもいいと言う経営者

  • LINEで送る

自分はどうなってもいいと言う経営者

ご相談時に、「自分はどうなってもいい」けど家族と従業員だけは守りたいと言われる方が珍しくありません。

自分自身では、もうどうすることも出来ない状況の中で、従業員や取引先に迷惑を掛けないようにしたいということなのだと思います。

これは、その当事者となって経験したことがある者にしか心境を理解することは絶対にできません。

経営者にしてみれば、八方塞になってしまっている状況において、最後まで良い人であるような取り繕いをされる方もおられますが、心の底からそれで良しとする人は少ないのではないでしょうか。

本日は、オブラートに包まず率直な言葉で記述しますので、気分を害される方がおられるかも知れませんが、思うところをお伝えいたします。

「借りたお金は絶対に返します」
「返さないことは道義に反する」
「自分はどうなっても構わない・・・」

傍から聞いていると立派な人だなと思いそうになりますが、これって出来ないことをやると言っている偽善者だと思いませんか。

勿論、嘘をついている訳ではなく、本心から言っていることは確かなのだと思いますが、出来ないことを言葉にする方が考え方としておかしいのです。

偽善者とは、真の性格・性向を隠す一方で、美徳または善といった見せかけの外観をつくることを言う。

「不誠実なそらとぼけ」、「見せかけの振りをすること」だといいます。

ここでお伝えしたいことは、「自分はどうなってもいい」という人に限って偽善者の方が多いということなのです。

多くの経営者を見ていましたが、このような言葉を発する人ほど人を裏切ったり、自分の保身を最優先にしたりすることが多いです。

何が言いたいのかと申しますと、格好付けや良い人を醸し出すのではなく、出来ないことは出来ないと正直に言った方が良いと言うこと。

人に迷惑を掛けず、経営者としての責任を果たす意志があるならば、自分自身が自分の人生を守り、経営危機を乗り越えて社会的弱者を守ることに全身全霊で取り組みすることが大事なのではないでしょうか。

自分が犠牲となり関係者に少しでも迷惑を掛けないようにすることを考えられての発言かも知れませんが、関係者はそんなことを望んではいません。

また、自分の人生を投げ出すような考え方も間違っています。

本当に借金を返すつもりなら、道義に反すると思われるなら、逆に経営を立て直して事業を継続し、時間が掛かってでも社会的弱者を守るべきなのです。

自分のことが一番大切で、一番可愛いと思うことは当然のことなのです。

経営危機で一番大事なことは、格好付けて偽善者などにならず出来ないことは出来ないと正直になって打開に取り組むことです。

経営者として責任を全うされようと思うのであれば、まず先に自分の生活と人生を守り事業を継続する基盤をしっかり整えることが必要不可欠だといえます。


  • LINEで送る