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危機を招く経営者・売上至上主義

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危機を招く経営者・売上至上主義

中小企業、零細企業の経営者は、数字アレルギーや苦手意識が強い方が多くおられます。

自社の技術や商品、営業の仕方やノウハウなどのことならテキパキと答えられるプロ中のプロなのですが、財務諸表に関してはトーンダウンしてしまいます。

会社の大小に係わらず、どんな会社であれ売上げが上がらなければ利益を出すことはできません。

今年度の売上目標は、昨年度の売上げに対して120%とするなど、経営目標を立てることは当然に行われています。

しかし、兎にも角にも「売上げを上げる」ことだけを経営方針としている「売上至上主義」の経営者は、破綻を招きかねない「ダメな経営者」だと言えます。

確かに会社を経営していくためには売上げが無ければ成り立ちませんし、会社を成長させていくためには売上げ増が必要不可欠です。

ここまでを考えてみると、売上げ至上主義自体は何ら問題がないように思えるのですが、一概にそうとも言えない要素があります。

それは、どれだけ多くの利益を生み出すことができたかどうかということなのです。

単純に計算すれば、100円で売上げた利益が10円と比較して、50円で売上げた利益が20円とではどちらが経営状況が良好かという考え方です。

そんなことは言われなくても分かっているよ。と皆さんは思われるでしょう。

しかし、分かっているはずが、実際にはそれに向けた対策を取らず旧態依然のまま営業活動している事業者は少なくありません。

会社が生み出す売上げには、必ず大なり小なり経費がかかります。

生み出された利益よりも経費が上回れば赤字となり、逆に利益が上回れば黒字となることは説明するまでもありませんが、会社を支える利益をどれだけ出せるかが重要です。

本題の戻れば、「売上至上主義」の経営者が問題なのは、この利益を増やすことに対して対策を取っていないところにあるのです。

会社の利益を重要視した経営をおこなっていると、倒産のリスクが非常に高くなります。

それは、コロナウイルスの影響で売上げが激減したり、大口の取引先との取引が打ち切られたりするなど、売上げの増減で会社の存続が左右されるようになるからです。

また現環境においては、どこの会社も売上を拡大しにくい状況であり、かつ、資金繰りも厳しい状況となっていますので、売上げを増やす努力だけでなく、如何にして利益を増やすかということへ注力することが大事だといえます。

大切なことは、「売上拡大」と「利益増」を同時に進めて行くことです。


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