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中小企業の事業再生に関するガイドラインの落とし穴

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【中小企業の事業再生に関するガイドラインの落とし穴】

世間では、先が見えないコロナの影響も日常マンネリ化してきているように感じます。

今まではマスクを付けることに違和感を感じていたことが、今では逆にマス
クを付けていない方が違和感を感じるようになっているかも知れません。

昨今の各発表によれば、倒産している企業が激増していると言われています

この原因は、コロナ過において事業形態を変えることが出来なかった事業者
や追加融資を受けることができなかった企業が多数を占めています。国の政策が既に発表されていますが、従来のように緊急的にジャブジャブ資
金を出して中小零細企業を支援することはしないとしています。

その理由は、統計上、緊急融資を受けた30パーセントの企業は返済ができ
ないことが分かっており、ゾンビ企業に支援をしても経済が活性化しないこ
とが大きな理由です。

国としては、現在の50パーセント程度の中小零細企業は淘汰された方がい
いと考えている旨をコメントされいますし、

財政制度等審議会でもゾンビ企業には支援しない政策も審議済みとなってい
ることから、その方向で動いていることは間違いありません。

要するに融資支援をしても回復することができない企業には延命処置はしな
いということになります。

このようなことから、中小零細企業にとっては非常に厳しい経営環境に変化
することを覚悟しておく必要があります。

現在、国の政策の一つとして「中小企業の事業再生に関するガイドライン」
というものが打ち出されていますがご存じでしょうか。

この言葉からイメージすると、経営危機となってしまった中小零細企業を救
済するために「債務を減免」して助けてもらえるような感じですが、実際は
異なります。


簡単に流れをご説明すると


先ず、有事に陥ってしまった場合は金融機関へ正確かつ信頼性の高い経営状
況を開示します。


次にリスケをしたり、スポンサー支援により赤字を脱却し事業継続を図るこ
とができる場合には、スポンサーへの事業譲渡等も検討することとします。


しかし、スポンサー支援も得られる見込みのない場合には、早期に事業を廃
止し、清算することを検討することになります。


そして、経営者は全責任を負うことになるのです。


本来であるならば、事業を再生する支援であるはずのガイドラインなのです
が、自ら再生できない事業者は廃業し、経営者は責任を取りなさいという内
容になっています。


即ち、この土俵に上がれる事業者は良いかも知れませんが、そもそも融資を
受けなければ事業継続が困難な事業者にとっては意に反した内容となってい
るのです。


中小零細企業経営者の多くが望まれることは、現在の経営形態のまま事業再
生を行い、資金繰りが厳しい状況から脱却を実現することが目的であるはず
なのです。

しかし、現実には融資を受けずに「自助努力」だけで事業再生することがで
きる事業者は少ないのではないでしょうか。


このままの状況が続けば融資という支援を受けられないのですから、資金が
尽きて破綻するか、若しくは自力で事業再生するか、自助努力で売上利益を
生み出すかしかありません。


もう、そのうち何とかなるだろうという甘い考え方は通用しない環境へと変
化していますので、自ら行動に移すことが大事だといえます。


生き残る側に入るのか、退場組に入るのかは経営者の考え方と行動次第で変
わると言っても過言ではありません。


国や金融機関が何とかしてくれるだろうと言う安易な考え方は捨てて、自ら
行動してピンチを切り抜けることを考えるべきなのではないでしょうか。


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