資金繰りブログ

抜本的な経営改善治療

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抜本的な経営改善治療

経営危機となられているご相談者の方に役員報酬はいくら貰っているのですかと聞いてみる。

すると、10万円とお答えになる方もいれば30万円ぐらいと答えられる方まで様々です。

もちろん事業規模によっては、もっと多額な金額を得られている方も大勢いらっしゃいます。

これって確かに自分の収入として得ていることは間違いないのですが、稼いで得たお金ではないことはお分かりでしょうか。

お金を稼いで役員報酬や給与を得るというこは、当然、会社が営業利益を出していて、その利益を報酬給与というお金で分配していることになりますので、赤字企業や債務超過の企業においては人のお金を使ってお金を得ていることになります。

これって、仮に10万円の報酬しか得ていなかったとしても、会社にとってはマイナスであるところ、更に10万円を支出しなければならないことになるので、毎月、毎月どんどん資金が減っていくことになります。

よって、銀行口座に資金が無くなってくることにより、経営者は自己資金を会社へ注ぎ込んで急場を凌ぐか、金融機関から借り入れして現金を確保していることが大半です。

場合によっては、身内や家族まで巻き込んで親や兄弟などから借金をして会社へ資金を次ぎ込んでいる方もおられます。

中小零細企業の経営者においてよく見受けられることは、このような状況になられていても、何とか経営できて給与を得られていると言われることです。

本当でしょうか。

これって人のお金を使いながら、単に『経営もどき』のようなことをしているだけのことであり、営利を目的とした事業として成り立っていないのではないでしょうか。

このことに気が付いていない経営者や、気が付いていても辞めるに辞められない状況となっている経営者もおられます。

もう、どうしようもない状況になってしまっていることを分かっておらず、認めたくもないのです。

このまま事業を続ければ続けるほど、状況はますます悪化していくことは明白なのに、歩を止めずいつまでも突き進んで行かれるのです。

結果として、家族や従業員、取引先などの関係者に多大な迷惑を掛けてしまうこととなり、こんなことになるとは思わなかった、もっと早く何とかしておけば良かったと後悔すされる方が少なくありません。

真面目な経営者にとっては、弱音を吐かず頑張るしかないという思いで必死に頑張り続けるのですが、日を増すにつれてどんどん状況が悪化してきますので、関係者に迷惑を掛けることはできないと、次から次へと貸してくれるところから借りまくるようになっていきます。

いかがでしょうか。

普通に事業を行って利益を得られていなのですから、仮に高金利のところから借り入れできたとしても、その金利を支払うだけの利益を得られなければ当然に返済することなのできないのは説明するまでもありません。

よって、冷静に考察してみれば本業が黒字でない企業は借入しても返済する元本と金利を稼ぐ能力が無いということになるので、借り入れすることは理に反することなのです。

では、どのようにすれば良いかということなのですが、それは各企業の状況によって大きく変わります。

状況が軽度の経営悪化であるならば内科的な治療で済むことになりますし、もっと悪化しているようであれば外科的治療が必要な場合があります。また、もっと酷く複雑な場合には内科外科も含めた抜本的な治療が必要となる企業もあります。

経営危機を改善させるためには、時と場合、状況にもよりますが、大なり小なりの痛みを伴うことに
なります。

また、抜本的改善治療も無理だということまで行きついてしまえば、最悪の結果となってしまうこともありますので、現状をしっかり理解把握して早く治療をすることが必要だといえます。

治療を先送りすればするほど劇的な治療と痛みを伴う可能性が高くなってしまいますので、経営者の判断と決断が重要な場面なのではないでしょうか。


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