借金を返すためにお金を借りる・・・
先日、SNS上にて飲食店の経営者が投稿していたのが目に留まりました。
その内容は、まったく売上が回復しないので皆さん助けてくださいというものでした。
恐らく、身近では何らかの会に入会している会員仲間や交流会などの仲間などに向けての発信ではないかと思いますが、恥を掻き捨てて投稿されたのでしょう。
このように売上が回復せず、窮地に陥ってしまわれている事業者は少なくありません。
昨今では、国の政策などにも表れてきていますが、万年赤字体質の企業や債務超過の企業、利益を生み出すことができない企業は、市場から退場して消滅して欲しいという考え方になっています。
よって、資金調達の審査内容や融資における基準などにも変化が起きてきています。
簡単に言ってしまえば、本来ならとっくに倒産しているはずの中小零細企業でも、信用保証協会の保証を付けて延命化させてきたけれど、もうこれ以上は貸さないという考え方に変わったということです。
更に言うと、復活支援金という名目の資金は破産手続きに必要な資金を国が出すから早く処理してくださいという趣旨の資金だとも言えるのではないでしょうか。
コロナの問題は仕方がないとしても、それ以前から金融機関で資金調達しなければ経営が成り立たない事業ということであるとするならば、借りたお金を返すために不足するお金を更に借りて返すというサイクルになっているはずです。
もし、そうであるとするならば、このまま進めば何時か何処かの時点で終わります。
では、どのようにすれば良いかということになるのですが、
①売上を増加させる ②販売価格や客単価を上げる ③取引先や顧客等を増やす ④経費を減らす。
こんなところが一般的に考えられることではないでしょうか。
④の経費を減らすなどということは、もう既に行われていることだと思います。
では、①、②、③はいかがでしょうか。
答えは、それが簡単にできるのであれば苦労しないいうことだと思います。
そして、考えて考えて考え抜いたことでの対策方法は、金融機関から追加の融資を受けて資金を確保するという発想になるのです。
これって、赤字で資金不足を補うために借金をするのですから、借金を借金して返すということになります。
即ち、借金のトータルが増えるという状況となるのですが、今までも収支が合わなかったのですから、ますます苦しくなることは説明するまでもありません。
急に売上を上げることなど無理。急に利益を増やすことなど無理なのです。
要するに、無理なことを願望だけで頑張ったとしても、結果を出せる事業者は極僅かしかいないと思うのです。
では、どのようにすれば良いのかということになるのですが、頑張るところを変える。頑張り方を変える。考え方と行動を変えることが必要不可欠だといえます。
これに気が付いて軌道修正できる経営者と気が付かずに現状を突き進む経営者とでは、将来大きく人生が変わる可能性が高いのではないでしょうか。