自宅を守るべきか否か

2019.11.29

自宅を守るべきか否か

経営危機に陥ってしまった経営者の多くは、自宅を守りたいと言われます。

自宅不動産に抵当権が登記されていようがいまいが、何とか自宅を守りたいという思いは当然のことだと思います。

確かに経営者本人やその家族からしてみれば、長年住み慣れた思い出が詰まっている安らぎの場所なので、残せるものなら残したいという想いは当たり前のことですし、考え方としては間違ってはいないでしょう。

しかし、安易に固執することが必ずしも良いこととはならないケースもあるのです。

時と場合にもよりますが、早い段階での保全対策であれば様々な手段を用いて予防対策を施すことは有効で可能です。

ですが、金融債権が金融事故となり、経営者が連帯保証人として名を連ねている場合は、基本的には経営者の所有している自宅も債権回収するうえでの対象となるので、安易に奥さんへ配偶者贈与をしてしまなどを行なえば金融機関から指摘を受ける可能性があります。

そこで大事なことは、今の事業を継続するうえで自宅を守ることが損なのか得なのかと見極めることなのです。

もっと突っ込んだ言い方をすれば、自宅を守ることが事業を継続するうえで弊害とならないかということ。

例え自宅を守ることができたとしても、本業である事業を継続することができなければ収入が閉ざされて住宅ローンも支払いできなくなることになる可能性が高いので、それであれば不動産を所有することは諦めて居住することを検討することも必要不可欠かも知れません。

よき協力者がいれば、競売で落札してもうらうことも選択肢の一つとしてありますし、業者が落札したとするならば賃貸で借りるということも可能性としては十分にあり得ることです。

巷では、よくリースバックなどということを耳にしますが、投資目的で落札された物件を高額な賃料を支払いされてでもそこに住み続けることは賢い選択ではないように思います。

そのようなことから自宅を守れたことだけが良い結果となる訳ではありあませんし、結果として大きな損をすることになることもありますので、慌てず焦らずじっくりと検討して最良な選択をすることが、今の環境を少しでも良くすることに繋がるのだと思います。

失うものがあっても、得るものが大きいい方が得なのではないでしょうか。

家族へ話すタイミング

2019.11.28

家族へ話すタイミング

経営が危機的状況に陥ると、多くの経営者は眠れない夜を過ごされるようになります。

不思議なもので、日中は周りに従業員や取引先などの関係者がいるので気もまぎれるのだと思うのですが、夜になると急に妄想怪獣が現れて頭の中で暴れまくり襲い掛かってくるので、熟睡できない日々をを過ごす方が少なくありません。

それでも朝になれば出社しなければならないので職場へ向かうのですが、夜寝ていないので日中睡魔に襲われることは日常茶飯事に起こります。

その睡魔に襲われながらも、頭の中ではお金お金と常に資金繰りのことが脳裏から離れないだけでなく、経営破綻や倒産、破産の恐怖が付きまとっていることから、おかしな言動をすることも見られるようになります。

自分自身ではいつもと変わらぬ状態だと思っていても、傍から見れば普通ではないと見えるし、常に生活を共にしている家族ならもっとおかしいと思うのは説明するまでもありません。

経営者の方は、何とかこの窮地を切り抜けようと粉骨砕身して働かれるのですが、多くはその想いが結果として表れず、努力が報われないことが珍しくないのです。

そして、もうどうすることもできないと腹を括ったときに始めて家族へ打ち明けることになります。

経営者の方が何よりも一番辛いことは、家族に心配や迷惑をかけるということです。

できることなら話をしないで解決させたいと頑張るのですが、多くは行き着くところまで行き着いてから話をしなければならない状況で打ち明けることになるため、何も知らなかった家族の人たちは、行き成りどん底へ突き落されたような不安を覚えるようになるのです。

確かに倒産や破産になるかも知れないなどとは口が裂けても言えるような話ではないので、打ち明けるには非常に勇気がいることでしょう。

また、打ち明けられた家族も大きな不安に駆られることになるので、なんでこうなる前にもっと早く相談をしてくれなかったんだとなるでしょう。

しかし、債権債務問題においては、隠しきれるものではないので、家族には包み隠さず話をしなければなりません。

但し、大事なことは、もうどうすることもできなくなった状態で話をするのではなく、事業再生に向けた準備や対策を見据えた状態にて話をするべきです。

今は大変な状況にあるけれど、これから事業を再生させて健全経営ができるようにするので、安心していて大丈夫だと前置きをして伝えることができるならば、きっと家族の不安も小さくなるはずです。

それには、経営改善に向けて一日も早く取り組むことが必要不可欠です。

何事かを成そうという時に、進んでその事を言い出さないとか、行動に移さないことは責任から逃げたいと思っているか、その問題に関わりたくないと思っているかということです。

強い覚悟がない限り、自分や家族、従業員の生活が維持できなくなってしまう可能性が高いと言えるでしょう。

 

資金繰り相談

2019.11.27

資金繰り相談

中小零細企業の経営は、常に資金繰りが可能かどうかで成り立っていると言っても過言ではありません。

どんなに厳しい状況であろうが、債務超過であろうが、資金繰りさえ確保できていれば経営は維持することができるのです。

そこで経営者は、資金が不足することになれば金融機関から融資を受けようとされるのですが、業績が悪い企業においては思うように資金調達ができないことも珍しくありません。

メインバンクから融資を断られたりすると、ノンバンクから借り入れしたり、それでも不足するようであれば社長個人や奥様個人でカードローンや消費者金融から借金をして会社へ貸し付けをしたりします。

それから、資金繰りの支援をしてくれるコンサルタントへ依頼をして、資金調達しやすいように見栄えの良い事業計画書や決算書を作成してもらったりもするのです。

借り入れを専門としているコンサルタントは、積極的に金融機関へも同行してくれますし、売掛金のファクタリングを扱ってくれる業者を紹介してくれたりもします。

それでも不足するようであれば、金融機関へリスケの交渉もしてくれるのですが、その色々な対策が更に経営を困難な状況にさせてしまうことに繋がることもあるので、十分留意して行うことが大事です。

経営を守るためには資金を確保することは必要不可欠なことなのですが、借りれば返さなければなりませんし、借りれば金利も支払いしなければならなくなることは言うまでもありません。

本来、経営者であるならば、借りることにより発生する金利分を上乗せした利益を確保できるという前提の下で資金調達することが当然なのですが、とかく多くの経営者は借りることばかりに気を取られて、金利分を多く稼げるという根拠がない中で借り入れを行ってしまうことが少なくありません。

資金調達する目的が、建設的な資金として使われるのであれば生きたお金になりますが、もし、万年赤字で資金が不足することでの穴埋め資金として借り入れするということであるならば、それは単なる延命するための時間稼ぎのお金としかならないので、意味のない借り入れとなってしまいます。

倒産を先送りする資金として、次から次へとあちらこちらから借金を重ねれば、最終的にはどん底へ突き落されるような結末になってしまう可能性が高いので、まったく意味のないお金は借りるべきではないでしょう。

資金繰りの相談をすることや資金調達することは決して悪いことではありませんし、事業を継続して行くには資金繰りを確保することは必要不可欠なのですが、大事なことは調達した資金をどのように使うかということなのです。

経営改善や会社再生、事業再生に向けたお金として使われるのであれば生きたお金になりますが、単に借金を返済するために借金をして返すなどという目的で借りるのであるならば、それは無駄なお金になってしまので有事の時の対応として間違っていると思います。

借り入れだけでは真の安定は 「生み出せない」 との視座は、今日の経営者が常に注視すべき知見です。

幅広い視点から経営問題を浮き彫りにし、具体的に資金の使用目的を決めて借り入れをするべきと言えます。

 

再生と金融機関

2019.11.26

再生と金融機関

会社を再生させたり事業を再生させるときには、通常、金融機関が最大のキャスティングボードを握ることになります。

よくあるパターンのリスケをおこなう時にも、債権カットをする時にも、債権をサービサーに譲渡する時にも、必ずと言っても過言でないほど金融機関が係わってきます。

一般的に正攻法で進める場合、金融機関の支援が受けられるか否かで明暗が分かれるというほど極めて重要な関係になるのですが、これは必ずしも平等な扱いを受けられる訳ではありません。

中小零細企業も銀行も民間企業なので、債権者と債務者という立場において債権者である金融機関は債権を回収するために最大限の経済合理性のもと対応して来ることが当然のことなのですが、実際は企業といえども意思決定するのは人間なので、その個人の感情も加味されることは間違いありません。

例えば、今、潰してしまえば1千万円しか回収できないが、再生計画通りになれば1億円の回収ができる見込みがあると判断したとしても、それを担当する個人が経営者と反りが合わないとか、何らなの感情でこじれているとか、自分の出世に悪影響が出る可能性があるなど、様々な要因により変わることも普通にあることです。

また同じようなケースにおいて、いくら銀行に対して誠心誠意、真摯に対応したとしても体力のない地方銀行などでは、信用されていても再生支援ができない銀行もあれば、金融機関そのものの方針や考え方が違うので、早々に不良債権として処理してしまおうなどという金融機関も少なくありません。

特に地方の銀行や信用金庫などでは、サービサーへ債権譲渡や債権カットなどの対応はせず、貸した金は何が何でも必ず返してもらうというスタンスで執拗な回収をして来ることはよく見聞きすることです。

このような金融機関とか、聞く耳を持たず融通が利かない金融機関と取引してしまっているとするならば、徹底的に倒産へと追い込まれてしまうことになるので、潰されない方法と手段を考えて対策して行かざるを得なくなります。

何れにしても、根本的な目的は倒産させないことであり、会社の再生が難しいということであれば事業を再生させることに方向を変えれば良いということです。

金融機関が経営破綻すれば、国から公的資金として税金が投入されて救済されますが、悲しきかな中小零細企業には公的資金で助けてはくれないのです。

そのような厳しい環境下で経営をしているのですから、自分の身は自分で守る以外ありません。

第二会社方式も中小企業庁が推奨するやり方もあれば、任意で行う方法まで様々選択肢があるので、社会的弱者である家族や従業員を守るためには事業を維持していくことを目的として最適な選択をすればよいのではないでしょうか。

もちろん、選択肢の中には諦めて破産という手段も考えられることと思いますが、経営者の社会的責任としては選択するべきではないと思うのです。

今後、どのような経営環境にするのか、自分や家族、従業員の生活はどのようにしたいのかを真摯に検討し、その希望に向けて準備して諦めることなく取り組むことが大事なことなのではないでしょうか。

人生100年時代。 これからもっともっと頑張っていかなければなりません。

粉飾決算目立つ

2019.11.25

粉飾決算目立つ

先日の日経新聞に融資先・粉飾決算目立つという記事が出ていました。

その内容は、全国の地方銀行協会の会見において融資先の粉飾決算がみられるようになったとのこと。

説明では、形式上は普通に見えるが、後になって気が付くケースが出ている。

特に、複数の金融機関から借り入れをしている企業の現状状態が悪くなり、それぞれの銀行で与信を高めて引当金を積む過程において発覚しているのかも知れません。

近年においては、世間で騒がせた旅行会社や着物レンタル会社など、本来は大赤字であるはずなのに決算書を粉飾して黒字に見せかけ融資を引き出したことで、詐欺行為で逮捕されたという事件がありました。

このように、昨今では金融機関の粉飾に対する対応が非常に厳しい状況になっているようです。

昔は、金融機関の担当者が融資を出すために粉飾を促すようなコメントをしたり、顧問税理士の先生も顧問先が融資を受けやすいような決算書を作成してくれていたことと思いますし、融資の支援を専門としているコンサルタントなどでは粉飾した決算書を作成するよう勧めていた人までいました。

以前にも記述いたしましたが、業績が悪化している企業が銀行に業良く見られるような決算書を作成するには、売上の水増しをしたり仕入れの未計上、在庫の水増しなど、いろいろなケースがあります。

また、悪質なやり方では、決算前に取引先へ商品を仮想売却し、期の締め後に買い戻しをするなど行うことも事例としてあるようです。

このような粉飾を行なえば、何れどこかで粉飾したことが発覚するのは言わずと知れていることなので、粉飾決算だけは絶対に行うべきではありません。

もし、既に粉飾決算をしてしまっているとするならば、いつまでも仮想経理を続けていくことはできませんので、極力早く修正することが重要です。

特に気を付けなけらばならないことは、公共工事を行っている建設業者などです。

たまに見受けられることでは、落札した工事案件の引当金借り入れを、一行からだけでなく、同時に複数の銀行から融資を受けてしまっているケースです。

本来であるならば、国や地方公共団体から入金された工事代金から引当金の資金を返済しなければならないのですが、複数の銀行から融資を引き出しているのですから当然に返済ができない訳で、結果として銀行を騙したことになるのです。

やはり大事なことは、決算書を誤魔化したりせずに本業でしっかり儲けることです。

それでも資金繰りが苦しいということであるならば、仮に借りられなければ借りられないなりの選択肢の中から最良の対応方法に取り組みしていけば良いと言えます。

サービサー

2019.11.22

サービサー

インターネット等で調べられている経営者はの方は、もう既にサービサーのことは勉強されていることと思いますが、先に少しだけ触れておきたいと思います。

サービサーとは、法務大臣の許可を取って営業している法人です。

本物のサービサーは、許認可を受けていることから法務省のホームページで一覧を見ることができるので、見知らぬサービサーから通知なりが届いた時には確認してみると良いでしょう。

このように許認可事業であることから、どこかの高利貸し金融のような違法な取り立てを行ったり、行き成り会社へ押しかけてきたりなどはしませんので、心配する必要はありません。

サービサーは、いろいろな系列で設立されていることが多いようです。

例えば銀行系列であったり、信販系列であったり、クレジット会社系列、消費者金融系列など様々ありますが、人の性格と同じように各サービサーによって、それぞれ性格や取り立てる方法が異なったりします。

分かりやすいことでは、債権譲渡を受けたら直ぐに裁判を提起してくるところや、しつこく取り立てをしてくるところ、または毎日のように電話を掛けてくるところまでさまざまです。

他方、中には協力的な対応をしてくれるところも無くはないのですが、基本的な対応としては買い受けた金額よりも如何に多くのお金を回収できるかが仕事なので、時には手厳しく、時には優しくと、手を変え品を変え、あらゆる手段を駆使してお金を引き出そうと試みるのです。

サービサーの担当者は債権回収のプロ中のプロなので、今まで債権債務の知識がない経営者が駆け引きしたところで勝ち目はないでしょう。

しかし、破格の価格で債権を買い取っているので旨く話が付けば大幅な債権カットで和解できることも少なくありません。

そこで現状を説明し、誠意をもって対応しながら協力をお願いするのですが、もし、非協力的であったり無理難題な返済を求められるようであるならば、無理をしてその条件に応えようとはせず、少し冷却期間を置いた方が良いかも知れません。

一番良くないことは、何とかしなければと、あちらこちらから借金をして返済しようとすることです。

これは一番おこなってはいけない禁じ手です。

サービサーも営利目的で事業を行っているので、少しでも多くのお金の回収を試みることは当然のことなのですが、バルクセールで債権を譲り受けているのですからある程度の金額で妥協できる着地点があるはずなのです。

債権回収のプロである担当者は、債務者の心理を見事につかむことに長けていますので、その対応方法や性格をしっかりと把握しておくことは自分自身を守ることに繋がります。

一生懸命、誠意を見せれば何とかしてくれるだろうなどと甘いものではないので、良い結果を得るためには相手を知ることが必要不可欠なことと思います。

不良債権処理・増大

2019.11.21

不良債権処理・増大

昨日の日経新聞に掲載されていたので既にご存じの方もおられることと思いますが、全国の地方銀行の不良債権処理が2倍に膨れ上がっているとのことです。

リーマンショック後にできた中小企業金融円滑化法により、リスケジュール等の返済猶予で支援をしてきたり、利払い猶予するなどの対応をしてきたのですが、業績が回復することはなく、逆に経営難となってしまっている事業者が顕在化してきてしまっているのです。

これにより、支援をしてきた金融機関は与信費用が増大し、収益を押し下げる要因となっているので、7割にあたる地方銀行が減収か赤字になってしまったようです。

大手信用調査会社の発表によれば、返済猶予を受けた後、再建できずに倒産した企業は3年連続で増加しており、今年度は前年度を上回るペースで倒産が相次いでいるという。

この原因は、本業で稼ぐ力が低迷していると指摘されています。

また、昨今ではよく耳にすることなのですが、今までは国の政策が返済猶予等で中小零細企業を支援する方針でしたが、経営改善できない企業が非常に多いため、業績を回復することができず経営改善ができない企業は市場から退場させるという方針に変わりました。

即ち、社会に必要とされない企業はどんどん退場させ、これからの時代に必要とされる事業者には支援を強化していくことで、新陳代謝を図ろうという政策に方針を転換したことにより、各省庁の流れが変わったのです。

当然、金融庁の方針が変わったので、その管理下にある金融機関も対応を変えることとなり、昨今では返済猶予の支援を突然打ち切られるということが頻繁におこなわれるようになりました。

経営危機となられた中小零細企業は、返済猶予を受けて立て直しを図ることが大前提なのですが、元本の返済を止めることに慣れてしまい、必死で経営改善に取り組みをしている経営者は非常に少ないのかも知れません。

多くは半年ごとに返済猶予の延長契約を行います。

それが1年、2年、3年と延長して行く中で、売上の増加や営業利益の増加が見られて業績が改善されているのであれば良いのですが、改善が見られず先行きも目途が立たない状況であれば、延長打ち切りで市場からの退場を余儀なくされることになります。

最近では、突然、返済猶予打ち切りを告知される事業者が増えています。

もし、今、返済猶予を受けているとするならば、明日は我が身ということもありますので、行き成り告知を受けてあたふたする前に事前の対策を取っておいた方が無難かも知れません。

一番怖いことは、今、自社がおかしくなっていることを感じていないこと。

自分の会社のことであるはずなのに、見て見ない振りをしている傍観者となっていれば、いつしか市場から退場宣告を受けることになる可能性は非常に高いです。

世の中の流れや政策、方針等々は日々目まぐるしく変わっていますので、1か月前は大丈夫であったことが今日は大丈夫で無くなっていることも珍しくありません。

しっかりアンテナを張って早め早めの対応が必要なのではないでしょか。   

 

自社の借金が知らぬ間に不良債権化される前に。

会社と社長が生き残る術

2019.11.20

会社と社長が生き残る術

経営危機に陥ってしまった企業を再生させるには複数の再生スキームがあります。

大きく大別すると、一つは法的手続きによる再生。 もう一つは私的手続きによる再生です。

このどちらを選択すれば良いのか迷われることと思いますが、判断基準としては、先ず、社長の想いや希望はどのようにされたいのかということが基本的な考え方のベースとなります。

例えば既存会社の経営を改善させて債務超過を解消し黒字化させたいとか、事業そのものを見直して収益性の高い事業に切り替えるとか、または、会社再生を断念して事業を残すことを目的とするなど、再生を目指す目的や希望は様々あると思います。

再生パターンとして分類すると、ざっくり4つのパターンがあります。

1・法的手続きで既存の会社を再生させる。
2・法的手続きで新たな経営法人で再生させる。
3・私的手続きで既存の会社を再生させる。
4・私的手続きで新たな経営法人で再生させる。

具体的な詳細や手続方法、選択肢はいろいろあるためここでは割愛いたしますが、第二会社方式を活用して事業譲渡やM&Aなど、状況に応じて対応しているケースが増えています。

今までの事例や世間一般で見聞きすることでは、再生されようとされる経営者は、大きく膨らんでしまった借金債務により、どんなに頑張っても経営を改善して債務を減らすことが難しという状況であったり、

リスケや資金調達専門のコンサルに依頼していたことで、無駄な時間を過ごして既存会社での再生を諦めざるを得なくなってしまっている企業の割合が大変多くなっています。

しかし、大半の経営者は既存の会社を再生させたいと希望されるので、もし、既存会社の経営改善を目的とされるのであるならば、どうにもならなくなる前に会社再生に取り組みされるべきと言えます。

現実的に既存会社の経営改善は難しいと判断しなければならない場合は、法的手続きで新たな経営法人で再生させるか、私的手続きで新たな経営法人で再生させることになりますが、個人的には社会的に公表されない私的整理で行うべきと考えます。

もちろん、債権者が非常に多く、詐害行為などの指摘を受ける可能性が高い場合やスポンサーの支援を受けられるような場合には法的手続きも視野に入れることはリスク回避に繋がることもあります。

また、私的手続きにおいても事業譲渡やM&A、会社分割など、いろいろな選択をすることができますが、単に新設会社を設立して事業を移すなどということを行うと詐害行為などという指摘を受けることもあるので、しっかり留意する必要があります。

更に、他の手続きとしては、法的手続きと私的手続きの両方を用いた対応をすることもあります。

このように、さまざまな選択肢や手続き方法がありますので、社長の想いや希望、諸事情を考慮したうえで、事業を維持していくことが社会的弱者を守ることになります。

100社あれば100通りの諸事情があり、会社と社長が生き延びる再生方法は二つと同じものはありません。

助けを求めるSOSサインが早ければ早いほど支援の幅は大きく広がります。

マズイ、と実感した時にはすべてが遅いという状況になっていることが少なくありません。

また、現状から変化したくないということは、ものの見方、考え方が何かにとらわれ固着している状態です。

真の再生を目指すなら、自分の立場も権威も見栄も体裁もかなぐり捨てて未踏に挑まれるべきではないでしょうか。

破産手続き開始・・・

2019.11.19

破産手続開始・・・

先日、ネット上に記事が出ていたのですが、伊香保温泉にあるホテルが破産手続きを開始決定を受けたとのこと。

年間の売上が5,400万円に対し、負債額は8億8千100万円ということです。

経営状況が悪化し、資金繰りが回らなくなり先行きの見通しが立たなくなると、経営者の脳裏には「破産」という言葉が付きまとうようになります。

もう、これ以上どうすることもできないから破産するしか方法が無いと考えるからかも知れません。

では、借金の返済ができなければ「倒産」するのでしょうか。

多くの経営者は、経営破綻をすると、イコール、倒産という認識を持たれるようですが、実際は倒産などという定義はなく単にそのような見方や扱いを受けるだけということです。

そして更に追い打ちを掛けるように、相談をした弁護士の先生や顧問税理士の先生方から破産するしか方法がないと言われることから、破綻、イコール、倒産、イコール、破産という考え方となるのでしょう。

本来、正確に物事を考えてみれば、資金繰りということが破綻することであり、倒産は破綻したことにより外部の関係者から倒産したと扱われるだけのこと。

そして破産とは、破産という手続きの申し立てを行い、裁判所から開始決定を受ける法的手続きをいうのですから、経営破綻したからといって必ずしも破産しなければならないということではありません。

今回、破産手続きをしたホテルの事情は定かではありませんが、単に数字だけをみれば年間売上高の16倍以上の負債があることから、よくぞ今まで持ちこたえられたなと思うほどの大きな負債額となっています。

逆に考察してみれば、ホテルも借りては返す、また借りては返すということを長年に渡り繰り返して来たのでしょうから、その債権者である金融機関も、どうしてこんなに貸し付けしたのか非常に不思議に思います。

何れにしても、このホテルだけでなく多くの破綻した企業が破産をしてしまうことは、その経営者が知識不足であったことは否めません。

金融システムや法律の知識を持ち合わせていたなら、きっと破産などということはしなかったのだろうと思うのです。

なぜならば、借金が原因で倒産することなどは当然にあり得ないからです。

現在は、債権債務問題に対して様々な選択肢や解決方法があります。

リスケもできれば金融機関の債権カットさえも不可能ではないのです。

そのようなことから、破産という選択肢は一番最後の選択にすることが経営者としての責任なのではないでしょうか。

ホテルには多くの従業員がいます。お世話をする係の中居さんや厨房で料理を作る板前さん、そしてや予約を受けたりする事務方や送迎バスの運転手さんなど、一生懸命頑張ってきてくれた社会的弱者の人たちの生活を守る責務があるはずなのです。

そしてもっと大切なことは、経営者自身の人生や生活を守り確保することなのではないでしょうか。

もし、今、同じような状況であるとするならば、たくさんの選択肢があるということを認識してください。

第二会社方式で事業を継続

2019.11.18

第二会社で事業を継続

会社を経営していくにあたり、経営環境が非常にスピ―ディーに変化していくことがあります。

今まで順調に経営を行うことができていたことが、メインの取引先が倒産してしまったり、売掛金の回収が困難な状況となったり、主力の従業員が退職してしまったりなど、思いもよらないことで経営が困難な状態となることは珍しくありません。

そのようなことから、今、現状問題がなかったとしても、いつ何時どのような環境になるかわかりませんので最低限の準備と対策はとっておくべきだと思います。

今、現実に経営危機となられている企業においては、先ず、経営状況の実態を正確に把握する必要があります。

同じ経営危機といっても、一時的に資金が不足してしまうなどという比較的軽度の経営危機から、現状の経営改善を徹底的に行い会社を再生させる必要がある経営危機、または外科的手術を施して第二会社で事業再生を行わなければならないほど経営が悪化している企業まで様々です。

特に失敗しやすいケースは、明らかに既存の会社で経営改善できる可能性がないほど深刻化しているにも係わらず、第二会社などの外科的手術を行わずに、とりあえず融資を受けて一時凌ぎをするような軽度の経営危機の対応で済ませてしまうことです。

この状態に陥る原因は、経営者が現状の経営形態に固執することで第二会社などの新しい取り組みを躊躇してしまうことや、資金調達することで会社を延命化させることを主眼点においたコンサルタントが係わることの影響が少なくないようです。

第二会社方式にはいくつかの形態がありますが、現在、中小企業庁が制度化し推奨している取り組みがあります。

この制度は、債権者となる金融機関から旧会社の債権処理についての協力を得ながら進めて行くものであるため大変ハードルが高いことが難点なのです。

本来、第二会社の目的とは、旧会社の債務はそのまま残して第二会社へ事業を譲渡することで、第二会社が債務を引き継がないということがポイントとなるのですが、債権者である金融機関は債権を失うことになるので、なかなか簡単には物事が運びません。

そのようなことから、時と場合によっては第二会社方式を応用した私的な任意での対応で取り組みするしか方法がない場合もありますので、そこは臨機応変な対応が必要となるかも知れません。

但し、大事なことは法務や税務についてしっかりとした対応が必要とされますし、無手勝流で安易におこなえば詐害行為などと指摘を受けることにもなり兼ねませんので、専門家を交えて対応をする必要があると言えます。

また、旧会社の債務処理や清算については、弁護士や税理士の協力を得ながら対応をしていくことで処理することができます。

このように第二会社方式とは中小零細企業が事業再生するには大変素晴らしい再生方法だと言えるのですが、あくまでも本業が黒字であるということがポイントとなります。

せっかく債務を切り離して第二会社で再生することができたとしても、本業が赤字であれば必ずどこかの時点でまた行き詰まることになるからです。

事業を継続するということは、家族を守り従業員も守る。そして取引先も守ることに繋がりますので素晴らしい取り組みだと言えるのですが、必ず本業を黒字化させることは必須条件となります。

破産をしてしまうことは簡単なことかも知れません。

しかし、第二会社としてでも事業を継続させることでしっかり儲けてたくさん納税し、仕事で様々な要望に応えることで社会貢献できるのではないでしょうか。

従業員の雇用確保や取引先からも必要とされているのですから、債権者からの指摘を受けない形での事業再生は社会的に受け入れられるのではないでしょうか。

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