執着を手放す

2019.09.30

執着を手放す

人間には、さまざまな欲があります。

食欲、性欲、物欲などはよく言われているものです。

この欲に絡むものとして、人には執着というものがあります。

私たちは、たくさんのものを手に入れているだけでなく、日々、もっと多くのものを手に入れようとも、もがき苦しみながら頑張っています。

この手に入れようとしているものは人それぞれ違いますが、中小零細企業の経営者にとっては安定した健全経営であったり、既存の会社を大きく発展させることであったり、高額な所得を得ることであったりなど、どうしてもこうなって欲しいと思うことがあるのではないでしょうか。

特に、中小零細企業の経営者は、「こうでなければ嫌だ」 「どうしてもこうしたい」 と執拗に何かにとらわれているかのような執着心に縛られている方が少なくありません。

経営危機となられている社長に多く見られることは、「絶対に自宅だけは取られたくない」 「絶対に資産を失いたくない」 「絶対に信用を失いたくない」 絶対に・・・・・・と、あれもこれもと執着して、掴んだ手を放すことを拒み続けることです。

そして、長い年月もの間、悩み続けた挙句、もがきぐるしみながら最後を迎えることも少なくありません。

ここで大事なことは、絶対にこうでなければ嫌だという執着は止めて、ガブっと掴んでいる手から拘りを離すことです。

絶対こうでなければ嫌だから、そうなったらいいな。 に考え方を変えればいいのです。

債権債務問題において勘違いしやすいことは、雁字搦めに縛っているのは債権者ではなく、自分自身が 「こうでなければ絶対に嫌だ」 という執着から離れられないことが原因なのです。

「そうならなくてもいいけど」 「なったらいいな」 という発想に切り替えることができなければ、自分で自分を縛っていることとなり、いつまでも経営を改善させることはできないのではないでしょうか。

経営危機の社長が執着するべきことは、会社を再生させて家族や従業員を守ることです。

執着するところを間違えると、成功できることもできなくなってしまうこと成り兼ねません。

今、掴んでいるその手を放す勇気があれば、その想いに繋がるかも知れません。

 

家族を大切に

2019.09.28

家族を大切に

日々、休みも取らず、家族よりも仕事を優先し、西へ東へと奔走されているのです。

仕事中心の経営者でも、家族と心がつながっていれば安心できる家庭が築けているはずです。

そんな家族も、年に一度の家族旅行や、たまには外食でもしたいなと思いながらも、必死で頑張っている社長の事は十分理解しており、形ではなく心で繋がっているのです。

毎日、毎日、常に一緒にいても、遠く心が離れてしまっている家族もあります。

ほんの短い時間や、ほとんど顔も合わせられない家族もあるのですが、心が繋がっていれば不平不満もでることはありません。

家庭とは、家族全員が共同で作り上げていくものであり、理屈や形で表すことのできないものです。

どんなに立派な企業であっても、どんなに優秀な企業であっても、そのトップである社長の家庭が盤石でなければ健全経営など持続させることなどできません。

家庭とは、安らぎと明日への英気を養う場所であり、盤石な家庭を築くことができなければ盤石な会社を築くこともできず、しいては社会に必要とされず、繁栄することも難しいかも知れません。

そのようなことから考察してみれば、家族を大切にすることは最も大切なことであり、家族の繋がりなくして会社の繁栄なしと言っても過言ではないでしょう。

たとえ経営危機に陥ってしまったとしても、家族を大切にし、家族と共に幸せな家庭が築けているのであれば、自分や家族の人生を守ることができるはずです。

そして、自分と家族を守ることができれば、従業員や取引先などを守ることに繋がり、しいては会社を守ることにも繋がる可能性が高まることになります。

盤石な家庭の建設なくして会社の繁栄なし。

 

心の財箱(たからばこ)

2019.09.27

心の財箱(たからばこ)

会社の業績が落ちていたり、財務内容が悪化しているときの経営者の心境は、その状況に陥ったことのある経験者でなければ分かりません。

非常に真面目過ぎたり精神的に弱い経営者などは、うつ病になられてしまう方もおられます。

また、前職時代には、多くの夜逃げをされた経営者や残された家族を見てきましたし、知り合いで自殺をしてしまった方などもおられます。

今思い起こせば、夜逃げをされた経営者や自殺をしてしまった経営者も、誰一人としてそのような行動を取る必要はなく、会社を再生させることができたのだと思っています。

この大きな違いは、会社を再生させていくための知識を持ち合わせているか否かによって変わるのだと言っても過言ではありません。

なぜならば、問題を解決するための方法や様々な選択肢があることを知っていれば、この場から逃げなくても大丈夫だと思えるからです。

うつ病にしても、夜逃げにしても、自殺にしても、残された方法は、この場から逃げるしかないということの衝動から起こっていると言えます。

この大きな心の不安と恐怖心から、心が病んだり思考回路が機能しなくなってしまうのだと思うのです。

そして、結果として大きな悲劇を生んでしまうことになる。

これは絶対に避けなければなりません。

兎角、真面目な経営者の方は、もうどうにもならないというところまで頑張り続ける傾向があります。

そして、頭の中で様々なことを妄想するようになるので、何とかしなければと的確で完璧な解決方法を求めるようになるのです。

童話や昔話のストーリーのような、あらすじや道筋、手順です。

川で洗濯をしているお婆さんが桃を見つける。

次に桃を割ると桃太郎が出てくる。

次に大きくなった桃太郎が鬼退治に鬼ヶ島へ向かう。

次に・・・・・・・・鬼を退治して一件落着。

このように、会社を再生させる手順や道筋を納得できる完璧な状態を追求して求めることにより、そんな旨い方法などないと断念してしまうのかも知れません。

しかし、今は完璧な答えを求める段階ではなく、また、求める必要もありません。

先ずは、いろいろな選択肢があることを知るべきだと言えます。

そして、100パーセントで100点満点を求めないことも大事なこと。

例え70点でも会社を再生することができて、家族や従業員を守ることができるのであれば良いではないですか。

でもそれには大切なことがあります。

それは、「心の財」をぶれずに輝かせることです。

今まで行ってきた事業に対してはプロ中のプロであり、経験と知識、事業を継続させるという強い心は財産です。

今の大きな問題を解決するためには、何があっても負けないという強い想いと未来を切り開く力を持つことが大切です。

試練に感謝

2019.09.26

試練に感謝

自信に満ち溢れ、独立を決意したあの日。

自分ならヤレル。 必ず成功させてみせる。

会社を大きくして、たくさん稼いで多くの従業員も雇えるぐらいな会社にしてみせる。

事業を成功させて家族を幸せにするんだ。

このような強い決意のもと、起業された経営者は少なくないのではないでしょうか。

社長、社長と持ち上げられて、気持ち良い日々も過ごしてきた。

経営が順調な時には高級車にも乗っていたし、毎晩飲みにも行っていたなぁ―

今、思い返せば相当なお金を経費として使ってきてしまった。

その時は気が付かなかったけど、その経費として使ってきたお金は儲けの利益から出していたつもりが、いつしか金融機関から借り入れた資金を使うようになっており、借りたお金と儲けたお金の分別が付かなくなっていた。

それが今、はっきりと分かるようになったのです。

ああ、今まで何だったんだろう。

仕事をしてお金を稼いでいると思っていたけれど、実際は仕事をすればするほど資金不足で借り入れが増えて行く。

そして、また不足するので借り入れをして一時凌ぎをする。

今まで事業を行ってきて残ったものは何かあるかと思えば、重く圧し掛かっている借入金の残債と債務だけではないか。

ああ、今まで私は何をしてきたのだろう・・・・・

最近ではメインバンクの担当者も心なしか冷たくなったような気がするし、仕入れ先も何となく敬遠されているような感じだ。

取引先においては散々無理難題の協力をして来たのに、手の平を返したように他の会社へ発注を切り替えていることが分かるぐらい急激に発注が激減している。

従業員も給与が安いだ何だと文句は言うけれど、そもそも自分の給与さえ稼げない連中なのだから文句など言うなと言いたい。

また、従業員の為に必死で仕事を確保しているにも拘らず、人の気も知らずに行き成り辞めますなどと退職する奴もいるんだ。

人手が不足すると他の従業員の負担が大きくなるので、メンタルが折れないよう心遣いをするのだけれど、その気遣いが逆に仇となり給与が安いから辞めようかと思っているなどと、足元を見られるような態度を取られたりもするのです。

結果として、必要な従業員は確保できず、既存の従業員には多額の給与を支払いし、重く圧し掛かる借入金の返済と債務の支払いに追われる日々を過ごさざるを得なくなっているのです。

そして、毎月、毎月、資金が不足する苦悩に耐える日々を過ごしている。

金融機関から融資を受けられるうちは未だ何とかなるけれど、追加資金を出してもらえなければ個人で借金をするしか方法はない。

いや、既に私は銀行のカードローンから借りているし、ノンバンクからも借りているけれど、もう限度額に達しているからこれ以上は借りることはできないんだ。

この先、金融機関への返済ができなくなるかも知れない。ノンバンクへの返済ができなくなるかも知れない。税金や社会保険料の納付ができなくなるかも知れない。

このような試練に耐えておられる方が少なくありません。

何とかしなければと思い、顧問税理士に相談をしたり経営コンサルタントにも相談をしてみたけれど、解決する方法を得ることはできず、藁をもつかむ思いで寺や神社へ神頼みをしてみたり、当たるハズもない宝くじを買ってみたりもしたけれど、悩みを解決するには至らなかった。

このような悩みを抱えておられる社長は大勢おられます。

ここで大切なことは、絶対に諦めないという強い想いと、この試練を絶対に乗り越えてみせるという強い気持ちを持って維持し続けるということです。

この大きく厳しい試練は、今まで貴方が行ってきたことから軌道修正するチャンスでもあるのです。

従業員や取引先など、周りにいる関係各者が本当に自分の協力者なのか否かを見極めることができる、またと無い機会でもあります。

この与えられた試練を真摯に受け止めて感謝し、絶対に乗り越えてみせるという強い信念のもと、会社を再生させることに取り組みされてみてはいかがでしょうか。

今、自分自身の殻を破り新たな挑戦をする舞台へと進まれれば、きっと良いことが結果となって表れてくるのではないでしょうか。

今、このような困難な時こそ、自分を鍛えられる試練に感謝する時なのかも知れません。

苦しみの中の変化

2019.09.25

苦しみの中の変化

中小零細企業の経営者は、さまざまな経営課題で頭を悩ませていることが少なくありません。

従業員の問題、売上利益の問題、取引先の問題、資金繰りの問題等々、挙げていけば限がなくあります。

それでも試行錯誤を繰り返しながら、日々、頑張って来られているのです。

どこの会社も大なり小なり経営課題はあるのですが、財務内容が悪化したり、債務超過という状況に陥ってしまうと簡単に経営改善に進まなくなってしまうことがあります。

経営能力の優劣は兎も角としても、どんな経営者でも自社の問題点は把握されているはずです。

その問題点を熱心に取り組みされている経営者もいれば、分かっているけれど対策方法が無いという理由で先延ばしにされている方もおられるでしょう。

確かに中小零細企業においては、優秀な従業員を採用するとか、自社にとって有利な仕入れや取引ができるということは難しいこともあります。

ですが、だからといって諦めてしまったり、積極的に取り組まれなかったりすれば何も改善しないということは当然なことであり、それは経営者の考え方と理解の仕方に問題があるのではないでしょうか。

経営者の中には、何かする前からそんなの無理だとか、取引先が承諾してくれないとか、下請業者が受けてくれないなどと決めつけてしまう方がおられます。

確かに従来はそのような商習慣となっていたのかも知れません。

しかし、多くの経営課題を解決したり、財務内容を改善させようとされているのであるならば、積極的に取り組みされるべきなのです。

但し、ここで留意しなければならないことは、本業を疎かにして経営課題に取り組みしてしまうことです。

当然、真っ先に先頭を切って取り組みしなければならないのですが、そればかりに気を取られて本業が疎かになってしまえば本末転倒なことになってしまいますので、バランスを保たなければなりません。

それには忙し過ぎる経営者としての時間を割けるよう、資金繰りに奔走するなどの無駄な時間を無くすことが必要だと言えます。

苦しみの中でも、日々、積極的に取り組みされていれば、いつか変化が表れてくる可能性が高くなります。

日々の地道な取り組みが大事だと言えます。

壁の向こうの新しい景色

2019.09.24

壁の向こうの新しい景色

経営が危機的状況に陥ってしまったときの大敵はどのようなものでしょうか。

あらゆる債権者だと言われる方も少なくありませんが、実際は違うように思うのです。

もちろん、債務者と債権者とでは利益が相反する立場にありますので、お互いが満足いく和解や解決は大変難しいと言えます。

しかし、それが天敵や大敵とは言えないと思うのです。

本来、一番の大敵とは経営者本人の自分自身なのではないでしょうか。

業績が悪化しているにも拘わらず、何の手立てもせずに現状を変えようとしない。

財務内容が悪化しているにも拘らず、追加の借り入れだけでその場を凌ごうとする。

さまざまな妄想が浮かび上がってきて、大きな不安に駆られて身動きが取れない状況になっている。

何とかしなければならないと理解しているのだけれど、経験したことが無い不安と恐怖心から現状にしがみ付いたままでいる。

このように大きな不安に押し潰されてしまっている経営者自身が自分の大敵として益々経営を困難な状態にしているのではないでしょうか。

本来であるならば、あらゆる経営課題に対して前向きに取り組みしなければならないはずなのですが、気持ちが焦るばかりで行動が伴わないほど精神的に憔悴してしまっていることも少なくありません。

しかし、その大半の原因は、会社を再生させるための知識が不足していることであり、知識さえ得ることができれば多くの不安は払拭できるのです。

そして、さまざまな対応が可能であることを知ることにより、一歩前に前進することもできるようになります。

結果として、壁の向こうの新しい景色を見ることができる可能性が高くなるのです。

出口の見えないトンネルの中から抜け出して、壁の向こう側にある新しい景色を見るのも経営者の気持ちと行動しだいだと言っても過言ではないかも知れません。

最も苦労している人に光を

2019.09.20

最も苦労している人に光を

世界にも類を見ない勤勉な人種である日本人。

その中でも中小零細企業の経営者は、雇用されているサラリーマンでは想像できないほど責任を背負い、勤勉でご苦労されているのではないでしょうか。

如何なる状況においても、会社を存続させていかなければならず、儲かろうが赤字であろうが、従業員の給与は必ず支払いしなければなりません。

また、資金が足らなければ資金調達をしたり、借り入れができなければ個人の資産を切り崩してまでも支払いに充てるのです。

そして、土日や祝日などものんびり休んでいる訳には行かず、休日返上で仕事に奔走されている経営者は少なくありません。

飲食店などの店舗を経営されている経営者などでは、従業員の給与を上げるために営業時間を延長しているなどの話を聞くことも珍しくありません。

このように、あらゆる業種の経営者がさまざまな努力をされているのです。

しかし、一生懸命努力をされている経営者の中には、どうしても資金が不足してしまうことから抜け出せない会社も存在します。

そこでどうするかということになるのですが、従業員の給与や取引先の支払いを少し待ってくださいとはプライドが許しませんし、口が裂けても言えないので、社長は一人で孤独に悶々と悩まれることになります。

そして、新たな借り入れをして支払いに充てるようになることは、言わずと知れた対策方法なのかも知れません。

確かに資金が足らなければ資金を調達することは悪いことではありません。

但し、その資金の使い道はしっかり留意して活用する必要があるのではないでしょうか。

即ち、単純に支払いする資金が不足するからという理由で支払いに充てるのか。

それとも倒産を一時的に回避するための延命処置費用として使用するのか。

会社を再生させるための未来への投資として使用するのかなど、

その使用目的によって、生きたお金になるのか、死に銭となってしまうのかは大きく異なることになるでしょう。

もし、何の目的もなく単純に足らないからと言って借りるお金であるとするならば、無駄なお金になってしまう可能性があるので借りるべきではありません。

また、返済可能な計画が確立されているか、返せる充てがあって借りるのであれば良いのですが、返済できるかどうかも分からない状態においての借り入れは、新たな被害者をつくることに繋がりますので絶対に借りるべきではないと言えます。

経営者としては、非常に苦しく困難な状況にあることと思いますが、何とか周りで支援をして光を当てることができれば、経営改善できる可能性が高まると思うのです。

それには、経営者の対応と進むべき道次第で決まるのではないでしょうか。

忠言耳に逆らう

2019.09.19

忠言耳に逆らう

忠言耳に逆らうという言葉があります。

これは、真心からの忠告の言葉は、欠点や過ちを鋭く指摘していることが多いので、故に忠告された人は素直に受け取りずらく、聞き入れにくいという意味を言います。

かの有名な老子の言葉にも、信言は美ならず 美言は信ならず ということを言われています。

これは、本当に真心からの言葉には飾り立てられたものは無いし、飾り立てられた言葉には真心が無いことから信用はできないということを言われているのです。

経営危機に直面している社長が真っ先に相談をされるのは、会社の幹部や顧問税理士の先生ということが少なくありません。

その時の状況にもよることと思いますが、恐らく相談したことで理想的な解決方法や役に立つ回答、アドバイス等は無く、ありきたりな無難なことしか言われなかったのではないでしょうか。

日本人はストレートにものを言うことを嫌う人種です。柔らかい言葉やオブラートに包み込んだもの言いを好むのです。

社長自身は自分の意見に賛同してくれる人や、社長の顔色を伺いながら耳障りの良い言葉を発してくれる従業員や関係者を信頼できる者だと決め付ける傾向が強くあるので、手厳しい意見や社長の立場を悪くするような意見は受け付けようとされないことが珍しくありません。

そのようなことから、いつしか社長の周りには調子を合わせることが上手な部下たちが集まり、イエスマンばかりが集まった会社になっていることが少なくありません。

しかし、本当に真心から社長の味方となってくれる人は、間違っていることは鋭く指摘をしてくれるし、忠告もしてくれるはずです。

これは、従業員や顧問税理士だけでなく、相談をする弁護士や事業再生コンサルタントも同じです。

自分の立場を悪くしないよう、当たり障りの無い優しい言葉で気配りしているような助言であるならば、それは支援するどころか問題を更に悪化させてしまうことに成り兼ねませんので、

 

忠言をしっかり耳にして受け止められるようなスタンスを築かれた方が良い結果となる可能性が高まります。

事業再生ADR

2019.09.18

事業再生ADR

先月、経営再建中の曙ブレーキ工業の記事が日経新聞に記載されていました。

曙ブレーキ工業とは、東証一部上場をしている会社で車のブレーキを扱う世界の大手企業です。

記事の内容によれば、各金融機関に対して債権を一律5割放棄するよう要請したと書かれていました。

この記事が出る数日前には、大手都市銀行は債権放棄を承諾したと書かれていましたが、今回は数多くの地方銀行の反発の声が相次いで反対されたのです。

私的整理の一種である事業再生ADRは、裁判以外の紛争解決を目指した手続き方法です。

この手続きの事業再生ADRは、再建計画をすべての債権者の同意が必要なため、合意が得られなければ再建そのものが前に進まなくなってしまうという特徴があります。

本来、債権者が債権放棄に理解を示してくれるならば、多くの中小零細企業が経営改善することができるのですが、債権者の立場からすれば、コンプライアンス面や株主対応などからすると、簡単に債権放棄など出来ないことは基本的な対応姿勢だと言えます。

ですが、実際に債権放棄が行われたという情報も極僅かですがあることも事実のようです。

例えば、中小企業再生支援協議会や企業再生支援機構などが関与して支援した案件などであるとも聞いたことがあります。

しかし、現実的には限りなくゼロに近いことであり、余程、特別な何かがなければ簡単に債権放棄などできることではないので、金融機関に相談をすれば、もしかしたら債権放棄してくれるかも知れないなどと安易に考えない方が無難かも知れません。

世の中、そんなに都合の良い話はないので、毎月、少しずつでも返済を続けていくことが基本的な対応姿勢なのではないでしょうか。

中小企業後継者支援

2019.09.17

中小企業後継者支援

しばらく前、日経新聞に掲載されていた記事ですが、経済産業省は中小企業の経営者が第三者に事業を譲るのを後押しするとありました。

また、別の日には信用保証協会が、国が運営する事業引き継ぎセンターと覚書を結んで事業承継の支援に乗り出すという記事もありました。

中小企業庁の発表によれば、中小企業の経営者のうち245万人が2025年までに70歳を迎える。

そのうち127万人は後継者が決まっていないという。

日本の中小零細企業においては、親が代表から退くときには後任として息子などの親族が引き継ぐことが少なくありません。

しかし、近年においては、多額の債務を抱えていたり債務超過となっている企業は、その負担を親族が引き継ぐというケースは少なくなってきていいるようです。

本来であるならば、企業価値を算出してⅯ&Aなどの合併や買収という形での承継を目指していることだと思うのですが、中小零細企業においては、余程、収益性のある事業を有しているか、

 

買収する側の負担とならないような債務が少ない財務内容の会社でなければ成立させることが難しいかも知れません。

長年培ってき優秀な技術や優秀な人材がいるにも拘らず、休廃業をしなければならないことは地域経済の衰退を促進させることに繋がりますので、事業の承継だけでなく、技術と人材の承継も必須と言えます。

そのようなことから、次から次へと中小企業の承継に国が支援を始めるようなのですが、まだまだ課題も多くあるようです。

それは、財務状況が悪化している企業や債務超過の企業など、生産性が低い企業を国費で救済することができないということのようです。

要するに、黒字企業は税制面の優遇をしてまでも承継を支援する。

反面、財務内容が悪化している企業の救済は難しいということのようです。

非常に難しい問題なのかも知れません。

確かに、多額の債務を抱えている一企業を国の税金で救済してしまうなどということになれば、税金の使い方が問題となってしまうでしょうから、簡単には救済できないことは当然と言えば当然のことかも知れません。

もし、今後、事業承継を考えれておられるのであるならば、その時期までには財務内容を改善させておくことがスムーズに運ぶ対策になると言えるのではないでしょうか。

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